志希「それじゃあ、アタシがギフテッドじゃなくなった話でもしよっか」
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26:名無しNIPPER[saga]
2016/11/11(金) 22:25:05.02 ID:3cpNhopO0

にゃはは。ここまで話してみて、アタシが崖の淵で足を踏み外して、そのまま勢いよく下まで転がり落ちたということはなんとなく分かってくれたよね。
でもさ、アタシが本当に言いたいことっていうのは、一ノ瀬志希のファンが減ったことでも、アイドルとしての価値がいくぶん下がったことでも、来てほしくもない明日を考えてぐっすりと眠れなくなったことでもないんだよね。

ここでアタシがしたいのは単なる不幸自慢なんかじゃなくて、もっともっと大切なことなの。

さてさて、話の続きをしよっか。
このころのアタシってね、何をやってもうまくいかないんだって心の中で決めつけてたんだよね。だから、努力なんて無駄だとか、才能がないとアタシは何にも出来ないんだとか、生まれ変わる前のアタシを知っている人がそれを聞いたらビックリしちゃうような、くら〜い性格になってたの。

ほらアタシってギフテッドだったからさ。努力の方法も、挫折からの立ち直り方も知らなかったわけ。

まわりの皆が経験してきたことが一切分からないんだから、そりゃもー、お手上げ状態で。海外で培ったはずのフランクさはどこへやら〜って思えるくらい、アタシには自分を取り巻くすべてが敵に見えてた。アタシの現状を心配してくれる子もいたけど、それを受け止める心の隙間ってものもやっぱりなかったんだよね。

神さまから愛されてきたアタシの人生は、なにもかもが悪い方向へ傾いていた。まるで今までの与えられた幸福を丸ごと奪い取られたかのように。




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