季節走り 心はいつまでも (モバマス)(輿水幸子)
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◆MhRo2YnWE.V/
[saga]
2016/11/25(金) 23:47:37.20 ID:bHjy0vG90
「……ところで、提案があるのですが」
「……ん? なんだ」
幸子は不気味ににっこりと笑った。
いや、すごく綺麗な笑顔なんだけど、こんな顔を俺に向けること自体が不気味だ。
「そんなに私の料理を気に入ってくれたのなら、今度、ごちそうしましょうか」
「あー、それはありがたいんだけど、なにその顔」
「ありがたいんですね。じゃあOKということで。約束ですよ」
「いや、そうは……」
「そうは言っていないんですか。ふーん、へー」
「わかった、わかったよ。でも、それが……」
俺の言葉を途中でさえぎるように、幸子が立ち上がった。
「では、図書館に行きましょう」
「いやいやいや、ちょっとまって」
「でももいやもありません。お腹もいっぱいになったので、受験勉強の時間です」
そのまま幸子は歩き出した。俺は呆然とした。
なんだかわからんが、幸子がかつてないほどに強引だ。
何かを企んでいるのは間違いないが、俺はどうすればいいのかわからないまま、幸子の後をあわてて追いかけていく。
……あいつが辞めてから、ずっとそうだったかもしれないな。
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