【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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671:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 06:32:52.29 ID:lNHOfaru0
大法官「ようやくか」


大法官は、他の神々がするように羽根の如く宙に浮き、滑るように議場から去ると、登り階段のついた昇降大橋を飛び越し、アノール・ロンドを象徴する建造物へと飛行した。
ある者はその建物を大聖堂や大神殿と呼び、またある者は王城と呼ぶ。
その神聖不可侵たる巨大な城からは、数多の悲鳴と雷鳴が漏れていた。


大法官「何事か!」


あたかも取り乱す心を理性によって抑えているかのような素振りで、大法官は王城正門の前に降り立つ。
両開きの正門の片側は内向きに突き開けられており、半分のみ開かれたその門からは、黄金色の雷光と断末魔に混じり、神々の群れが我先にと溢れ出していた。
雪崩をうって遁走するその者たちの多くは、大法官に目もくれず飛び去っていく。


「だ、大法官殿!それが…!」

「近づいてはなりませぬ!これは叛乱でございます!あやつめは、ベルカ様の令を破り…」


ズバオオーーッ!!


大法官の問いに幾柱かの神が応えたと同時に、片開きの正門から大雷が飛び出した。


ドガガガーーッ!!


宙を一閃に裂いた大雷は、空へと逃げゆく神々の幾柱かを撃ち抜き、千々と砕いた。
神々にぶち当たって破裂した大雷は消えることなく、幾つもの小雷となって花火の如く散らばり、大雷を避け得た神々さえも貫いた。
太陽も月ももはやいただかぬ、卑小な神々を殺すなど、大雷の主には造作もない。
護るべき者を尽く捨て去った裏切り者共にかける慈悲などを持ち合わせているならば、アノール・ロンドに帰還する事も無かったのだ。


ドガシャアーッ!


大法官に事の詳細を伝えんとした二柱の神々が、後方に見える哀れな神々と共に雷に焼かれ、吹き飛んだ。
雷の残滓は大法官の外套をも焼いたが、大法官が神の力を退ける身であるがゆえに、雷はただ外套の装飾だけを焦がした。


大法官「フン、手当たり次第か」ブツッ


焦げた装飾を引きちぎり、大法官は駆け、正門を潜った。
いかにも、自らが慌てふためいた小間使いであるかのようにふるまって。


ガキィン!


銀騎士たちの槍衾を右手の得物で叩き伏せ、王城に攻め入った騎士は…


バシィン!ゴロゴロゴロ…


左手に大雷を握った。




オーンスタイン「兜を脱ぎ、我が前に跪け!!我の最後の情けを受けるがいい!!」




銀騎士たちは折れた槍を捨て、剣を抜いたが、一様に腰が引けていた。
ある者は左手の盾を捨て、猛る獣をなだめんとするかのような身振りを見せるが、それはありもしない救いへの懇願であろうか。
盾も剣も捨てた者さえもいる。そして、うちの一柱が声を絞り出す。


銀騎士「りゅ、竜狩り殿。どうか槍をお収めください。我らは…」

バガァン!!

その一柱に向けてオーンスタインは大雷を投げ込み、声を上げた銀騎士を爆散させた。
剣も盾も持たぬ銀騎士が、踵を返してたまらず逃げ出す。

ビュン!!

竜狩りが消失と見紛う程の速さで跳び、逃げる銀騎士の眼前を一瞬通過すると、逃げる銀騎士の身体は頭部を失って、枯れ葉のように舞った。


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