【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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545:名無しNIPPER[saga]
2018/12/04(火) 23:36:53.17 ID:5Y3w7RH10
竜狩りと鍔迫る仮面の騎士の鎧には、コブラに刻まれた損壊が無い。
割られた仮面も元に戻っており、それらの防御効果は揺るぎない。


オーンスタイン「結晶とはな……如何にして王の封印も解かずに白竜公の書庫に忍び入った」

母の仮面「あの封印なら何度も解いた。貴様に言っても分からんだろうがな」


ガキィッ!!


オーンスタイン「!」

ジークマイヤー「ぬおおお!!」

ガァン!キィン!


竜狩りと仮面の騎士が短い問答を交わしている間に、仮面の騎士の同業者達は二人の不死と二柱の神々に斬りかかっていた。
ビアトリスとグウィンドリンの展開する弾幕にジークマイヤーとスモウは守られているが、仮面騎士の同業達は野犬の如く二柱と二人に纏わりつき、矛や刃を執拗に振るっている。
その矛も刃も、ジークマイヤーとスモウに切り払われていたが、特大剣と大鎚での剣勢には剣速に限りがある。

ダッ!

オーンスタインは同胞と主君に助太刀すべく踵を返し…

ガヅッ!!

背中にクレイモアの突きを貰った。
クレイモアは剣身に混沌を秘めており、混沌の炎はオーンスタインの背面鎧を赤熱させた。


母の仮面「なに余所見している。まだ私は死んでいないぞ」

オーンスタイン「貴様…」



ジークマイヤー「ええい鬱陶しい!!」ブーン!!

デーモン槍の騎士「クスクスクス…」ササッ

ビアトリス「無闇に振ってもダメだ!こちらは脚を抑えられている!剣筋を読まれて隙を突かれるぞ!」

ジークマイヤー「しかし我慢ならん!堂々と闘わず一太刀振っては逃げ回るの繰り返しなど、騎士の闘いではない!」


軽装騎士「騎士の闘いときたぜ」シュタタタ…

盗賊「くだらんなぁ。勝てばよかろうに」シュタタタ…


グウィンドリン「………」


敵対者達の煮え切らぬ戦運びに不死達が苛立ち始める中、グウィンドリンはソウルの雨を放ちつつ、密かに熟考していた。
一見単調な敵対者達の動きにも理由があるのだ。
苛立ちなどは戦において必ず沸き起こる感情であり、苛立ちが過分な敵意へと変わるのも必然である。
過分な敵意は過分な攻撃性へと繋がり、過分な攻撃性は無謀の起点となる。敵対者達は一人孤立する者が生じる時をひたすら待っているのだ。


グウィンドリン「賢しいな。あくまで誘うというならば見せてやろう」

ビアトリス「えっ?」

シュオオオオォォ…

ビアトリス「え…うそ…」


杖を高く掲げ、蒼い嵐を杖先に巻き起こし始めたグウィンドリンを見て、ビアトリスは驚愕した。
神の大魔法に驚いたというのもあるが、それ以上に驚くべき事態に、彼女は唖然としたのだ。
ジークマイヤーのように戦に様式を求める訳ではないビアトリスは、思慮を重んじ、戦況というものを読むよう努めている。
故に彼女は敵の動きに挑発の意思が含まれれば察知し、決して乗るまいと努めるのだ。
その最大限かつ微々たる努力による戦略構成を、事もあろうに神が御破算にしたのである。


ブオオオォーーッ!!


杖を中心に渦巻くソウルは解放され、ソウルの雲となって大広間の天井を埋め、敵対者達に降りかかった。
文字通り雨の如く降るソウルの矢を避け切る事は不可能であり、敵対者達は皆、一・二発の被弾を許した。
だが、このソウルの雨は決定的な威力に欠けていた。手や足を撃ち、血を流させる事は出来ても、脳や心臓、心を打ち砕くには足りないのだった。


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