476:名無しNIPPER[saga ]
2018/09/03(月) 07:05:15.39 ID:jUfKgvru0
コブラ「!!」
仮面の騎士が完全に消えた時、コブラの肉体にまたも異変が起きた。
赤き竜やガーゴイルを倒した時とは比較にならない程の気力の充実に、コブラ自身も大いに戸惑った。
サイコガンを撃てるだけ撃ち、深傷を負って絶え絶えとなっていた息も整い、頭への血流が改善された感覚。
コブラは思わず自身の左脇腹を見る。傷は未だ残り痛みもあるが、出血は止まっていた。
コブラ「ハッ!」
更にもう一つ、コブラに気付きがあった。
死んだ亡者は死体となってその場に残り、灰になるのも酷く緩慢だ。
しかし理性と人間性を残す不死が命を落とした場合、その肉体は瞬時に掻き消え、その場にはソウルを残すだけとなる。
だとしたら、肉体を残して倒れ臥す不死達には、まだ幾許かの猶予がある。
コブラは周囲を見渡した
。
コブラ「クソッ!遅かったか…」
ビアトリスとジークマイヤーは伏し、ロートレクは消えていたが、ローガンの姿もまた大広間から消えていた。
すぐさま駆けたコブラは、ジークマイヤーとビアトリスにそれぞれエストを飲ませる。
どれほど飲ませれば傷が完治するのか分からず、分析するほどの余裕も無いコブラの手によって、二人のエスト瓶は全くの空にされた。
ビアトリス「げほっ!はぁ、はぁ……」
コブラ「ふぅー…危なかったぜ。このエストってのは相当効くんだな。服は破けたままだが、セクシーなおへそは元どおりだ」
ビアトリス「やれやれ…命の恩人の台詞がそれとは、感謝のしがいも無いな…」
ビアトリス「!! 待て!先生はどうなった!?仮面の悪霊は!?」
コブラ「ああ、ローガンはダメだったらしい。賢者で不死ときてもそれなりに歳だ。大剣で刺されりゃあな…」
ビアトリス「そうか……では、仮面の方は?」
コブラ「そいつは倒した。名前は聞きそびれたがかなりの別嬪だったぜ。もう会いたくないがね」
ビアトリス「倒した!?あの悪霊を!?」
コブラ「ああ、ちょいと手こずったけどな。いけなかったか?」
ジークマイヤー「ああ、ローガン公にとってはな。よいしょっと」ガシャ
コブラ「よおジーク。気が付いたか。で、ローガンがどうしたって?」
ジークマイヤー「今死ぬのはまずいのだ。死にすぎていなければ、見た目は亡者になるだろうが前に休んだ篝火の近くで目覚める事ができる。不死人とはそういうものだ」
ジークマイヤー「だが、それは我らを襲った二人の騎士にも言える。悪ければ今頃、鎧を着た火防女の篝火の元、ローガンと刺客が長い戦いを始めているかもしれん」
ビアトリス「で、では助けに行かなくては!」
ジークマイヤー「それは危険だ。我らには今エストが無い」
ビアトリス「えっ……あっ」
コブラ「悪いね。全部飲ませちまった」
ビアトリス「そ…そうか……」
ジークマイヤー「それに対し、あの篝火に仮面の者が蘇っているとして、その者には決して絶えぬエストが与えられている。火防女とは全ての不死に恵みを与える者だ。恐らく我らだけが贔屓にされることも無いだろう」
ビアトリス「向こうは満杯のエストを飲めて、こちらは汲んでいる途中でひと刺し、か……」
ジークマイヤー「コブラと言えど連戦は辛いだろう。篝火で出会っていない事を祈るしかない」
ビアトリス「………」
レディ「お待たせ。あら?ローガンは?」
コブラ「それなんだが、ちょいと面倒が起きちまってな」
レディ「…?…」
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