455:名無しNIPPER[saga ]
2018/08/30(木) 21:57:27.63 ID:O65UiujH0
コブラ「ぐふっ!」
コブラに突き刺さった短刀は、コブラの浴びてきた刃の中の何よりも鋭かった。
肉を貫いた短刀は内臓にまで達し、コブラは吐血した。
仮面巨人「恐れいった」
コブラ「………」ハァ ハァ
仮面巨人「特大剣を大剣の如く振り回すその筋力、いくらソウルを身に捧げても得られるものではない。しかし、お前は容易に人の域を超えられる不死どもとも違う」
仮面巨人「お前を殺し、お前から物を奪えば、少しはお前を知れるのかな」グリリッ
コブラ「ぐはっ!」
ねじ込められた短刀に内臓を斬り裂かれ、コブラは痛みに背を丸める。
仮面の騎士は、雀蜂を表す装飾を掘られた指輪をはめた左掌に、より一層の力を込めた。
仮面巨人「!」バスン!
だが、その掌が握る短刀がコブラをより深く抉る前に、蒼色の閃光が仮面の騎士の肩にぶち当たり、厚い肩当てを吹き飛ばした。
衝撃を受けて体勢を崩した仮面の騎士に生じた隙を、コブラは見逃さず、ジークマイヤーも見逃さなかった。
タン!
コブラはナイフから自分の体を引き抜き、跳び退いた。
仮面の騎士は咄嗟にコブラを追撃せんと駆け出すが…
ジークマイヤー「貴公の相手は私だ!」ガゴォーン!!
その行く手を遮ったジークマイヤーの剣を盾に受け、仮面の騎士の追撃は失敗に終わった。
仮面の騎士から遠退いて片膝をついたコブラの元には、ビアトリスが駆け寄る。
ビアトリス「大丈夫かコブラ!」
コブラ「いや、ちょいと食に当たってね…」ゴホッ
ビアトリス「馬鹿なこと言ってる場合か!しっかりしろ!敵はまだいるんだぞ!」グイッ
ロートレク「その通り」ザッ…
手負いのコブラに肩を貸したビアトリスに、ロートレクが近づく。杖を持つ手を空けておいたビアトリスは、苦し紛れに魔法を撃った。
しかし、ソウルの矢は弓矢や銃弾と比べ弾速が遅い。
それを真正面から受ける不死などいやしない事を、ビアトリスも分かっていた。
ロートレク「哀れなものだな。当たるはずもないだろうに」
ビアトリス「…馬鹿者め…私が適当に撃っていると思っているのか…」
ロートレク「嘘をつくな。それ以外にやることも無いだろう」
事実、ビアトリスはただ敵を近づけさせんが為に、魔法を撃っていたに過ぎない。
逃げる策など思いつかず、策があっても実行出来るほどの体力は彼女には無い。コブラも然り。
だが、応援に期待していない訳では無かった。
ローガン「ふっふっふ……隙あり」
シュゴォーーッ!!
ローガンの放ったソウルの槍は、柱と柱の間を抜けて飛び…
ロートレク「グアアーーッ!!」ズバーーッ!!
ロートレクの背中を貫き、胴体に風穴を開けた。
ビアトリス「先生!」
ローガン(広くて遮蔽物もある場所に、のこのこ魔術師二人が出てくることも無い。魔法は不意を突いてこそだ)
ローガン(……しかし、まさかあの仮面の騎士と見えることになるとは…」
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