438:名無しNIPPER[saga ]
2018/08/23(木) 03:05:41.64 ID:2alb/vH10
石橋を繋ぎ、破魔の像を倒した先には、アノール・ロンドに着いて初めに視界へと映った、影を纏う太陽色の巨城がそびえていた。
巨城はまた聖堂の様でもあり、正門へと伸びる登り階段は、長く、広く、砂埃の一粒さえも許さぬ、新設の輝きを放っている。
コブラ「へへ、近くで見るとまた一段と荘厳だな。イタリアのミラノ大聖堂を思い出すぜ」
レディ「でも規格が大き過ぎるわ。巨人のための城なのかしら?」
コブラ「もしくは神の根城か。ま、入ってみれば分かるさ」
長大な階段を登り始める一行。
その間、ビアトリスとローガンは、ガーゴイルを怯ませた五つの光球を、再び自身の頭上へと展開する。
ソウルの光球は全て特別な魔力が込められており、敵意を見せるソウルへ向かって直進する性質を持つ。
その性質を利用して、熟練の魔法使いは近くにいる敵への防備とするのだ。
ジークマイヤー(便利だなぁ…)
一行の殿に必ずなってしまうジークマイヤーが、浮遊するソウルの光球の汎用性に感心していると…
巨人近衛兵「………」ヌオォ…
正門を守る二体の巨人近衛兵の姿が、階段を登りきった踊り場の奥から現れた。
コブラ「待ち合わせかいお二人さん。俺も今着いたところなんだ」
ジークマイヤー「………」ダッ!
シュンシュンシュン!!
ジークマイヤーが駆け出すと同時に、軽口を叩くコブラの両脇を、浮遊するソウルが通り過ぎる。
ドボボボン!!
巨人達はソウルの光球を大盾で防ぎきったが、衝撃により一瞬動きを止める。その隙にジークマイヤーは一行の先頭まで駆け出ると…
ジークマイヤー「ふぬおおーーっ!!」バッ!
自身の足元へ向け、両手を振り下ろした。彼の右手には、ツヴァイヘンダーではなくタリスマンが握られている。
ドオオオォォーーッ!!!
ジークマイヤーを中心にして発生した白い突風は、コブラとレディを舞い上げ、巨人達の大盾を揺らし、構えを著しく崩した。
コブラ「もらったーッ!」
一時的に無防備になった二体の巨人の頭を目掛け、コブラとレディは落下し…
グワーーッ!!
レディのフランベルジェは巨人の頭を真っ二つに斬り裂き…
グシャアアーーッ!!
コブラの黒騎士の大剣は、巨人の頭から腰までを叩き割った。
深々と斬られた二体の巨人は、血や臓物を噴き出す代わりに、ソウルだけを噴出させ、消滅した。
コブラ(この手応え…やっぱり中身はカラッポか)シュウウゥ…
ジークマイヤー「おお!あっぱれ!」
ローガン(ううむ…これで不死ではないとはな。筋力にソウルを注ぎ込まずにこの力……真に人間か…?)
レディ「ビアトリス、正門を調べるのを手伝ってもらえないかしら?」
ビアトリス「分かった。ではコブラとジークは見張りを頼む。先生は…」
ローガン「………」
ビアトリス「…熟考していらっしゃるようですね。コブラ、悪いが先生の事も頼む」
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