436:名無しNIPPER[saga ]
2018/08/15(水) 10:55:12.14 ID:IQES9Mht0
建造物に登ったコブラの眼に、円形の広場と、その中心に据えられた横回転式のレバーが映る。
レバーを中心にして下りの螺旋階段が伸びており、レバーの真上には大きな日除けが設けられていた。
ガッ ゴゴゴ…
石を成形して作られたレバーは重かったが、手押しが出来ないほどではなかった。
仕掛けは起動し、建造物はコブラの想定した通りに動いた。
ズゴゴゴゴ… ガコーン…
コブラ「第一関門、これにて突破ってわけだ」
レディ「さ、行きましょう」
ジークマイヤー「うむ」
進路を確保した一行は石橋を渡り、横回転式レバーを円形に囲む石床を歩いた。
その歩みを感知して、建造物の陰に隠れていた石像は起動した。
鐘のガーゴイル「グオオオオオオオオオ!!!」ダダッ!
レディ「なっ!?」
コブラ「にっ、二体目だぁ!?」
一度ならず三度も倒した敵と、ほぼ同一と言っても障りのない者が駆け出してきたのには、流石のコブラも驚愕した。
一度敗れた者をそれから二度も敵に差し向けたのだから、流石に四度戦わせるような愚策は無いだろうとタカを括っていたのである。
そして愚策は功を成し、コブラとレディとジークマイヤーの反応は遅れた。
だが魔法使い達の作戦は、一足早くに完成されていたのだった。
ボン! ボン! ドパッ!
バシッ! ボォン!
コブラとレディの間を通った、五発のソウルの光球のうち、三発がガーゴイルに命中。
コブラとジークマイヤーの間を通った、五発のソウルの光球のうち、二発がガーゴイルに命中。
ガーゴイルの盾によって五発の光球が防がれたが、残った光球を五発も食らえば、ガーゴイルとて怯み、動きを鈍らせる。
ビアトリスとローガンにとって、ソウルの太矢とソウルの槍を叩き込むには、その一瞬さえあれば充分だった。
バシイィーーッ!!!
稲光と見紛うばかりの蒼色の閃光は、ガーゴイルの頭部を粉々に粉砕した。
頭部を失ったガーゴイルは倒れ、頭部跡からソウルを立ち上らせつつ、像の輪郭を崩していった。
コブラ「さすがだな!助かったぜ」
ローガン「神の作りしガーゴイルは常に組で動く。伝承の通りであったな」
ビアトリス「神々の文化も修していらしたのですか…?」
ローガン「読めるものは全てな。そうでなくては大魔法防護に対抗し得る槍など見出せんさ」
レディ「大魔法防護?」
ローガン「神の御業のひとつだ。白竜シースを嫌った岩のハベルがまとめた、魔法を防ぐ奇跡の事を言う」
ローガン「実物を見たことは無いが、神の術を越えようと白熱するには格好の題材だったのでな」
コブラ「野心的だな。ギルガメシュにでもなるつもりかい?」
ローガン「野心?……ふむ、野心か…」
ローガン「…いや、やはり単なる好奇心にすぎんよ」
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