379:名無しNIPPER[saga]
2018/04/07(土) 05:13:09.37 ID:WXgKztVw0
カカーン! カカーン! カカーン!
グリッグス「ソラール、強く叩きすぎだ。それと調子を揃えるんだ」
カイーン! カイーン! カイーン!
不死一行が魔女の頼みを承諾して十数分…
不死達は骨とも木とも、岩ともつかない人の胴ほどもある太さの指に、指輪を刻んでいた。
戦士「ああ!クソ!あちいなぁ!」ブン!
カイーン!
ソラール「はは!そうだな!だが!」ブン!
カイーン!
ソラール「こういうのもいいだろう!?牧歌的で!」
鍛治職人の姿は無く、槌の代わりに剣の腹が打ち下ろされ、鍛冶屋の代わりに汗の飛沫を全身から飛ばすのは、ソラールと名も無き戦士。
打ちが終わり、すかさず指輪の元へ駆け込み…
ラレンティウス「………」ボタボタボタボタ…
ジュウウウーーッ…
滝の如き汗で、赤熱した指輪を冷ますのはラレンティウス。
戦士「本当に水はこれでいいのかよ…絵面が最悪だ…」
ラレンティウス「仕方ないだろ他に手が無いんだから。それとも唾でも吐けって言うのか?」ダラダラダラ…
ソラール「激しい発汗の呪術…だったか。そんなに汗をかいて大丈夫なのか?」
ラレンティウス「そこなんだが、実のところ俺もよくわからないんだ。不死が使うとどうなるかって記録は、大沼にも無いからな」
ジュワワワーーッ!!
戦士「うおっ…」
グリッグス「水蒸気が…!」
ゴゴゴゴゴ…
突如、爛れの全身の節々から蒸気が吹き上げ、大岩同士が擦り合わされるような地鳴りが響く。
爛れの指に深々と減り込んだ「黒焦げた橙の指輪」は、赤熱するのを止めた。
すると、爛れの体からも熱が引き、輝く溶岩も、内に流れるマグマも、力を弱めた。
弟の活火山があらかた炎を噴き終わり、安定期に入ったことを感知したクラーグは、弟に問いかけた。
クラーグ「混沌が引いたようだな。どうだ?痛むか?」
爛れ続ける者「ムオォォ〜〜…」
クラーグ「そうか…それならいいんだ。我らが鍛冶の技をイザリスから持ち出せていれば、お前をこうも苦しめる事も無かったろう」
クラーグ「すまなかったな…」
爛れ続ける者「オオオ〜」
クラーグ「そうか…皆だけでなく、こんな私をも許すと言うんだな……そうか…」
ラレンティウス(俺は今、呪術を極めんとする者として、最も栄誉ある体験をしている気がする…!)ホロリ…
ソラール「なんだか分からんが、よかったよかった!ウワッハッハッハ!」
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