【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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377:名無しNIPPER[saga]
2018/04/04(水) 05:12:22.07 ID:sqpBFTLo0
沼地の魔女はたじろぎ、永らく途切れていた問いかけを無視しようとした。
弟は混沌の炎から生き残った姉妹達を守り、混沌の炎を被り、尽きぬ苦痛と肉体の激変を味わった。
彼がいなければ、今頃魔女の血は全てデーモンの血統に塗り替えられていたことだろう。
それなのに、自分は弟や姉妹達を救うことを諦め、変わってしまった母を恐れ、逃げ出した。
そんな自分が今さら声に応えるなど、おこがましい事なのだと。

しかし、姉であるクラーグの言葉なき声は暖かく、在りし日、在りし者を想うものだった。
不出来で可愛い弟と、固い絆で結ばれた姉妹達。魔女の世を作り、神々と共に世界を支えた偉大なる母。
その戻り得ない安息の、小さな断片でも、彼女は構わないのだった。


黒いローブの女「………」


沼地の魔女は両手を掲げ、掌から小さな火の粉を浮かせ、クラーグの元へ送った。
今にも消え入りそうな火の粉は、沼地を抜け、灰の山に入り、混沌の娘の座る一室を通りすぎる。
すると火の粉は他の火の粉と合流し、踊るように部屋を出て、灼熱の大空洞へと至り、クラーグの元へ揺らぎ、宙空を泳いでいった。

そして、クラーグが掲げた掌に浮かぶ火の粉と交わり、火の粉は火球となった。


クラーグ「………」ボボボ…


大蜘蛛が火球を掲げ、掌を閉じ、音なき声で呟くと…


ドゴォーーッ!!

不死達「!!?」


火球は彗星のごとき蒼い閃光を放ち、爆発した。
指の間から噴き出た黒煙は、閃光に眩暈を覚えた不死達を包み、激しく咳き込ませる。
クラーグが掌を開けると、そこには黒い灰の盛り上がりがあり、灰は魔女の吐息で吹き飛ばされ、赤い大地に消えた。





クラーグ「クラーナ…我らは唯の一度とて、お前を責めたことは無いよ…」






クラーグ「喋っていいぞ」

戦士「げぇっほげっほ!うぇっほ!」

ソラール「ぶふっ!ごほほ!」


クラーグ「その暇も無しか。軟弱者どもめ」


グリッグス(焼き殺されるかと思った…)ゴホゴホ…

ラレンティウス「げほっ……いっ、今のはなんなんですか?」


クラーグ「混沌を踏破するための指輪を、我らが魔女の力で錬成したのだ」

クラーグ「早く息を正せ。貴様らの仕事はここからだ」

戦士「?」フゥフゥ…

グリッグス「し…仕事…?」


クラーグ「この混沌の魔女が見返り無く先導者になるとでも思っていたのか?貴様らの口車にタダで付き合うようならば、巣を張り、不死など食らっておらんわ」フフフ…


ソラール「ううむ…やはり腹の内があったのか…」

戦士「あったのかじゃねぇ!あるに決まってるだろ!だから俺は魔女の案内なんていらんって言ったんだ!」

クラーグ「押しきれぬなら賛同したのと同じこと。見苦しいぞ」

戦士「クソッ、最悪だ……魔女の頼みなんてロクでも無いことに決まってる…」

クラーグ「鍛冶仕事をしてもらおう」

戦士「は?」


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