363:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 02:33:57.60 ID:J+Cpf2y90
ビアトリス「………」
ローガン「ふむ、やはり手遅れだ。この杖は全く壊れてしまった。やれやれ、神の地まで赴いて鍛冶屋探しとは」ホッホッホ
ビアトリス「…申し訳ございません」
ローガン「謝るのなら、術に杖に」
ビアトリスに折れた杖を返すと、ローガンは周囲を見渡す。
そして、消えゆく地の足跡を見つけ、痕跡を辿り、横穴に行き着いた。
ローガン「幸いだな。篝火の輝きが見える。鍛冶道具もあることだ。貴公の杖にもこの灯りはありがたいだろう」
ビアトリス「鍛治道具?何故そのようなものを先生が?」
ローガン「不死教区の鍛治職人が世話をしてくれるのだよ。無論、いくらかのソウルを渡すことにはなるがね」
ビアトリス(自らを律する道具を、なんと軽々しく扱うんだ…)
罠に警戒しつつ、二人はゆっくりと階段を下っていった。
先の古城とは違い、階段に罠などは無く、ローガンとビアトリスは支障無く小部屋へと入り、コブラ達に合流した。
ビアトリス「無事だったか、コブラ。ジークマイヤーはどうしている?」
コブラ「やっこさんならおねむの時間さ。俺もそうしたいんだけど…」
ジークマイヤー「グゥ…グゥ…フゴーッ」
コブラ「この調子じゃあなぁ……ハラも減ったし…あーあ」
真鍮鎧の騎士「大所帯とは珍しい……貴公らはこの男の仲間か?」
ローガン「仲間?ふむ……まぁ、互助の類ではあるかな。しかし大所帯と言うには少々数が足りない気もする」
ビアトリス「失礼するが、貴公は何者で?」
真鍮鎧の騎士「私はこの篝火の番だ。名を聞いているというのなら、悪いがそのような物はこの任を主から仰せつかった時に棄てている」
真鍮鎧の騎士「火防女とでも呼ぶがいい」
ビアトリス(鎧姿の火防女とは……いや、見た目の詮索はよそう。篝火にありつけるだけ幸運と思うべきか…)
ローガン(火防女は人間性を溜め込むゆえ、人の女にしか務まらん。それでいて神の地にあり、主から仰せつかった任があるとすれば…)
ローガン(多くの信仰にある、人は神の地においては使役されるべき者という伝承は正しいようだ。とするならば、神が人に分け与えた術や、その原型もこの都にあるに違いない)
ローガン(求めし神の書庫も近いか…)
コブラ「火防女ねぇー…女の子から名前取っちまうなんて、相当女が怖いと見えるなぁ」
真鍮鎧の騎士「……その口ぶり、我が主に二言物申すというわけか?」
コブラ「別になにもぉ?流石神様と感服してるのさ。この世で女ほど怒らせて怖いものは無い」
コブラ「………」グゥ〜…
ビアトリス「今の音……腹の音か?なんて懐かしい響きだ…」
レディ「そんなに感動すること?」
ローガン「不死になれば分かる。いつか糞尿にも郷愁を思うものだ」
ビアトリス「いえ、流石にそれは…」
ローガン「腹が減ったと言うのなら、なんとか出来るやも」
コブラ「なにっ!?」ガバッ
ローガン「緑花草という植物は、疲弊した兵に力を与える。そして古き神話をまとめた伝承に、光の王は、その緑花草を人の都の王に約定の証として贈ったという一説があったはず。神代の物と言えど、所詮は草。そこらに生えているだろう」
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