【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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358:名無しNIPPER[saga]
2018/03/06(火) 13:20:52.13 ID:tpiYufG/0
巨人はコブラを叩き伏せ、二の太刀をジークマイヤーに浴びせんとハルバードを振り上げる。

バシバシーッ!

その掌に五つの光球が着弾し…

ボォン!

次いでソウルの太矢が突き刺さる。
ハルバードは巨人の手から離れ、小城の城門が倒れるが如き轟音を鳴らした。
追撃する巨人の攻撃対象は、ジークマイヤーからビアトリスに切り替わる。
ここからが正念場と、ビアトリスは杖に魔力を込めて再び小球を生み出す。


バキッ

ビアトリス「あっ?」


その魔力が強すぎたためか。
それとも、古城に囚われた際に異形の像に叩き折られた杖の修復が甘かったためか。
杖は再び折れ、魔力が散ってしまった。

一方、二体の巨人の始末を任されたローガンは、まるで庭園を歩くような無防備さで、巨人たちに近づいていった。
二体の巨人も歩調を合わせてローガンに接近していくが、ローガンの歩みは崩れない。
そのローガンの進行方向は、ほんの少しだが巨人達から見て右に寄れている。

ドン!

右側の巨人は、己の得物の距離にローガンが踏み込んだ瞬間、歩みに力を込めた。
そして大股に構え、ハルバードを天井に突き刺さんばかりに掲げた。

ローガン「やはり、距離によるか」ヒュイイイ…


シュゴーッ!!


掲げられたハルバードが振られる事は無かった。
ビッグハットの名を人の世に広めたものは、大きい帽子と叡知と偏屈だけではない。
大岩を穿ち、神の一撃との比較を許されるほどに強力な恐るべき魔術にこそ、その名の真髄がある。
ローガンにソウルの槍と名付けられた青い閃光は、巨人の胴体に大穴を開け、聖堂の壁を甚だ傷つけた。

ドガーン!!!

風穴を開けられた巨人は仰向けに倒れ、全身から白いソウルを吹き出し、靄を残して消えた。

ブワッ!

その靄を割って、もう一体の巨人がローガンに突進する。
前面に大盾を構え、面攻撃によって侵入者を叩き潰すことが突撃の目的だった。
しかし、巨体であることは弱みにもなりうる。例えば、大盾の隙間から覗く足の甲などだ。

ローガン「………」スッ…

やや気だるげにローガンは伏せると、匍匐の姿勢で杖から魔力を放つ。

ドバーッ!!

駆け出した脚の先を破壊された巨人はつんのめり、ローガンの頭上を飛び越え…

ガゴーーン!!!

聖堂の石壁に頭から突っ込み、神聖なものだったであろう彫刻を粉砕し、動きを止めた。
伏せたことによってついた埃を払いつつ、ローガンは片手間にソウルの太矢を巨人の尻目掛け撃ち出して、二体目の始末を終える。
なぜ尻を撃ったのかはローガン自身も深くは考えていなかったが、撃ったことによって悪戯心が満たされたことは確かだった。


ビアトリス「せ、先生申し訳ありません!杖が!」ハァハァ…


二体目の巨人が消える頃、ビアトリスは斬撃の雨に晒されていた。
回避に専念しているため無傷ではあるものの、体力的に致命打を貰うのも時間の問題であるようだった。

ローガン「修理の光粉を切らすとは、迂闊よなぁ。ははは」

ビアトリス「笑ってないで助けてください!ひぃ!」ブオーン!!

ローガン「分かった分かった」ヒュイイイ…


シュゴーーッ!!




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