336:名無しNIPPER[saga]
2018/01/20(土) 01:11:29.51 ID:hP0R+szl0
ドテーッ!
コブラ「イデッ!いててて……どうやらロードランにはファーストクラスは無いらしい…」
レディ「私は優しく降ろしてもらえたわよ?」
ジークマイヤー「たんに着地に失敗しただけな気もするが…」
一行を高台に送り届けたレッサーデーモン達は、一匹を残して皆いずこかへ飛び去り、姿を消した。
残ったデーモンは翼を畳み、高台の縁に止まり、陽光を眺めている。
コブラ「ここはヘリポートにしちゃ小さいぜ。今度はもう少し上等なサービスを期待したいね」
ローガン「神の国に来て最初の感想がそれとは、驚かし甲斐のない男だなキミは。ハハハッ」
コブラ「映画の感想を胸にしまっとくタイプなのさ。さてと、まずは休める所を探さないとな」
ローガン「なに?休む?」
コブラ「なんだい文句あるのか?俺はここのところ働き詰めで、少しは寝ないと本当に死んじまうってところまで来てるんだ。誰がなんと言おうと俺は休むぜ」
ローガン「ふむ…まぁ、仕方がない。それもいいだろう」
ビアトリス「先生、探索には私が付き添います。私も神々の智慧に触れたいのです」
ビアトリス「後悔はさせません。私は仮初めの黒衣達とは違います」
ローガン「そうだといいがな。では行こうか」
コブラ「今別れるのか?しばらくは一本道だしここは一緒に行こうじゃないの」
一行の降りた高台からは、長い下り階段が山沿いに続いている。
整形石で組まれたそれには、滑らかな手すりまで備え付けられており、都を一望しながら降りられる造りになっている。
コブラ達は階段を降り、その間に束の間の安息を楽しんだ。
だが、それもほんの一分と続かず、目の前に早くも脅威と思しき鎧姿が現れた。
コブラ「冗談じゃないぜまったく…また鉄の巨人か」
コブラ「まさかこの先ずっとコイツが出てくるんじゃないだろうな…」
巨人近衛兵「………」
疲弊したコブラの前方十数メートル先に、古い黄銅の重鎧に身を固めた巨人が立っている。
左手には城門の如き大盾を構え、右手に備わった金色のハルバードは柱のようであり、猛々しい矛先を空へと掲げている。
だが何よりコブラをうんざりさせたのは、積層する鎧のせいで巨人の素顔は愚か、素肌の一片も見えない点である。
この巨体が、試作機より安価かつ高性能で、弱点を克服した新兵器ではないという保証はどこにもない。
もしもアイアンゴーレムの上位種であったならば、この都にいる敵とは一度も戦わない。
コブラは内心そう誓った。
ジークマイヤー「どうするか……あの盾の厚さじゃ我が剣も樫の枝だろうし…」
ビアトリス「ソウルの太矢で頭を狙えれば…」
ローガン「あの盾を掻い潜れるとは思えん。ソウルの槍で貫くという手も無くはないが、あれは手数に限りがある。秘奥を真っ先に使っては早晩全滅するだろう」
レディ「逃げればいいんじゃない?」
ローガン「………」
ジークマイヤー「それは……駆け抜ける、という意味か?」
レディ「そうよ。私がジークを抱えて、コブラがビアトリスとローガンさんを抱えて走ればいいのよ」
ビアトリス「………」
ジークマイヤー「……うーむ…」
コブラ「いーや、それは良い所突いてると思うぜ」
ビアトリス「えっ?」
コブラ「考えてもみろ。あのバケツ頭の騎士が俺達より先にここに来ているはずだ。なのにどうしてこの巨人も、騎士も死んでない?どちらかの、あるいは両方の死体がここに残ってても良いはずだ」
コブラ「恐らく逃げ切ったんだろうが、だからってあの騎士が走り抜けたとも思えない。あの装備で走り回れるのなら、そもそも何年も前にここにたどり着いてる。俺達が鉄の巨人に大立ち回りを演じる事も無かったはずだ」
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