303:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 03:33:42.47 ID:eW3zdmjH0
ブオーーン!!!
大斧が風を斬る。
コブラ「避け…ありゃ?」
しかし、大斧は飛ばない。
巨像は握った得物をただ振るっただけであった。
少なくとも、誰しもにそう見えた。
ユラッ…
コブラの眼前の空気が揺らめく。
声を上げるには既に遅すぎて、避けるにしても、その揺らめきは大きかった。
ゴワッ!!!!
レディ「えっ!?」
ジークマイヤー「おおっ!?」
コブラは大剣を用いて辛うじて直撃だけは防いだものの、その両脚は宙に浮き…
コブラ「ぐふっ!」ドドォーッ!!
石壁を破る勢いで、背中をしたたか打ちつけた。
ジークマイヤー「なんだ今のは!?放つフォースか!?」
ビアトリス「い、いや、そんな気配は何も…」
レディ「大丈夫コブラ!?立てる!?」
コブラ「お、俺の事はいい…それより気をつけろ…次が来るぞ」
レディがコブラを介抱する瞬間を隙と感知し、アイアンゴーレムはまたも大斧を振り上げる。
刃の欠けた斧は太陽の光を反射して異様にぎらつき。その鋭い輝きは、コブラの眼には剥き出しの殺意に映った。
ボッ!!! ボッ!!! ボッ!!!
大斧は今度は三度振るわれ、空気を破る音も三度鳴る。
不死達の前にまたしても揺らぎが現れたが、揺らぎは大きく分厚く、そして鋭かった。
バチュン!!
身軽なレディは、コブラを肩に担いで揺らぎを飛び越す。
ジークマイヤー「ふんおおお!!!」ドゴォン!!!
カタリナの騎士はフォースによって揺らぎを大きく削ったが、残る風に鎧を撫でられ、大きく体勢を崩した。
ボゴオォーーーッ!!!
最も大きい被害を被ることは、硬い鎧も身軽な体捌きも持たないビアトリスにとっては必然だった。
幸いにして良い眼を持ってはいたが、それも辛うじて命を繋いだだけにすぎない。
ビアトリス「ぐ……あっ…」
眼前が揺らいだ瞬間に飛び退いたことにより即死こそは免れはしたが、ビアトリスは深手を負った。
右足首から先を削ぎ飛ばされた彼女の戦術からは、回避という選択肢が消えてしまった。
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