288:名無しNIPPER[saga]
2017/08/17(木) 00:41:58.45 ID:AFni3WQs0
コブラ「……はぁーあ、やれやれまたコレか」
レディ「芸がないなら無いなりに、打つ手はあったみたいね」
コブラ「しょうがない、ちょっくら走ってくか」
ビアトリス「えっ?」
コブラ「………」ダッ!
ビアトリス「なっ!?おい待てどこに行く!?」
レディ「止めなくても大丈夫よ。まぁ見てなさい」
仲間をおいて一人駆け出したコブラは、棚田状の上り坂を駆け上がる。
それを察知した蛇女は腕に力を込めると…
シュビッ!
掌から雷を放った。
だが雷がコブラのこめかみに刺さる瞬間、コブラは瞬時に身を屈めた。
さらに、その姿勢は跳躍に必要な『溜め』の動作にも繋がっていた。
ターン!
コブラが跳躍すると、今度は大岩がコブラの進路を殺しにくる。
しかしコブラの跳んだ方向は、垂直ではなく斜め上。
踏むべきものは壁だった。
ガッ!
石畳を蹴り、壁を蹴り、天井に両手の指と両足のブーツを減り込ませたコブラの『頭上』を…
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…
大岩は通過していった。
コブラは天井から離れて着地すると、また走りだし、大岩の供給源を突き止めた。
コブラ「ほーらやっぱり。どんなアトラクションにもスタッフはいるもんだ」
岩を坂に流すための広間には、中心に岩の受け皿と方向機が据えられ、壁の上部四辺からは、岩に推力を加えるための鐘つきが備わっていた。
そして何よりコブラをニヤつかせたのは、広間の天井に空いた穴から、巨大な影が大岩を降ろそうとしている光景だった。
コブラ「だが、この遊具は使用禁止だ。危ないからな」シャリン
タン!
コブラ「そりゃーっ!」ガキーッ!!!
ガラガラガラ…ガシャーン
コブラ「機械は故障。これにて閉園だ。あんたも休んだらどうだ?どうせ給料安いんだろう?」
影「………」
影「………」スッ
コブラ「そうそう、そうやって引っ込んでてくれ。たまには休まなきゃ」
黒騎士の大剣に仕掛けを破壊された広間は、静かになった。
レディが不死達を連れてコブラと合流する。
ビアトリス「この物騒な大仕掛けの数々……やはりこの城全体が一つの罠のようだな。拠点としての働きなど考えられていない」
コブラ「ああ。嫌な方の予想が当たっちまったぜ」
ビアトリス「予想?」
レディ「みんな、こっちに通路があるわ。先に進めそうよ」
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