281:名無しNIPPER[saga]
2017/08/16(水) 09:43:45.25 ID:nFHYD3ER0
一行が入った小部屋には、侵入口の他にもう一本、石積みの壁と天井に囲まれた小道があり…
コブラ「!」ササッ
その先には蛇男が仁王立ちしている。
コブラは一度壁に隠れた後、侵入口付近に転がる、大岩のかけらを引っ掴む。
そして小道の正面を避けて蛇男に見つからないような角度から、力一杯小道の床に、大岩のかけらを投げた。
バガッ!
かけらは床の石畳にぶつかると、砕けて飛散し、即席の対人地雷のように小道にいくつもの鋲を打ち込む。
ドスドスドス!
蛇男「ゲッ!」ドサーッ
だが蛇男を倒したのは、石壁の隙間から飛んだ三発のボルトだった。
コブラ「おっと、何か仕掛けてあったようだな」
レディ「発動し終わったみたいだけど、どうするの?」
コブラ「再装填するほどの技術が無いことを祈ろう」
コブラを先頭に、一行は小道の片側の壁に背を着けつつ、先に進む。
だが人を一人背負っているうえ、背中と腹の他に色々突出した構造を持つ鎧を着込んだ男は、壁に寄ることが出来ない。
コブラとレディが抜け、ビアトリスも抜けると、彼らだけが小道に取り残される形となった。
ジークマイヤー「………」ずりずりずり…
だがジークマイヤーは、ローガンを背負ったまま匍匐前進をする事によって、トラップを最低限回避できる形で進んだ。
ビュンビュンビュン!
ジークマイヤー「………」ずりずりずり…
二人のすぐ上をボルトが三発飛んだが、被害は無いようだった。
コブラ「再装填ありか。壁の中に人がいても驚かないぜ」
ジークマイヤー「ふー、死ぬかと思ったわ」
ローガン「マジェスティック…」ボソリ…
ジークマイヤー「ん?」
小道を抜けた先はまたも小部屋だったが、粗末な机と椅子の他、出口もあった。
しかし出口の先が問題だった。
ドドーッ!
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!
ドドーッ!
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!
コブラ「………」
ビアトリス「………」
ジークマイヤー「………」
レディ「あらー…」
小道の先は棚田のように曲がりくねった坂道と、そこを絶え間なく転がる大岩と…
蛇女「………」
その棚田を見下ろす蛇女がいた。
大岩を一定の間隔で供給する機構は、精密に、そして果てしなく動いた。
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