266:名無しNIPPER
2017/07/28(金) 01:08:30.45 ID:XzXNhDAw0
ジークマイヤー「勝機!!」ガバッ
何事かを閃いたカタリナの騎士は勢いよく立ち上がった。
同時に、背中からツヴァイヘンダーを抜いてもいた。
ジークマイヤー「はぁーーッ!!」ギャリリィン!
ツヴァイヘンダーは、騎士を囲う吊り牢の隙間から火花を散らして突き出され、転がる大岩の進路上にその刃先を晒す。
特大剣を握る騎士の手甲に力が入り、その手には予想以上の衝撃が伝わった。
ガッキィィン!!
酒瓶が飲み口を強打されて回転しながら宙を舞うように、ジークマイヤーの入った牢は吊るす鎖をたわませて、勢いよく錐揉みに回転しながら不規則に大きく揺れた。
牢は強固に作られ、魔翌力さえ込められてはいるが、それをろくに手入れもされないまま何百年と吊り下げた鎖に、同様の耐久力は残されていなかった。
蛇人は石壁すらも磨かない。牢の戸が一度でも開閉できた事すら奇跡だった。
べキン! ガッシャーーン!
捻れた鎖の一つの輪が千切れ、騎士の牢は大岩が通った後の石橋に墜落する。
一方、コブラをめり込ませた大岩は勢いを僅かにすら崩さずに転がり続け…
レディ「あっ!?」
ビアトリス「あっ!?」
ローガン「おや?」
そのまま、石橋の端に開いた、城の外へと続く横穴から落ちていった。
レディ「コブラーッ!」
一方、カタリナの騎士はというと、牢の隙間から手足を出して石橋の上に立つところだった。
だが、彼に気を配る者はいない。
ガッ!
皆の目線は、横穴の縁に掛かった掌に集まっていた。
そして縁から這い上がるだけの力を残せた、赤い男の恐るべき胆力にも。
コブラ「全く薄情な奴らだぜ。同じ蛇だからって味方ごと潰すのは無しだろ」グググ…
レディ「コブラ!」
コブラ「よぉレディ。流石の俺もさっきのでメシを戻しちまったらしいぜ。出来れば助けてくれると嬉しいんだけど…」ハハ…
レディ「お馬鹿さんね!もちろん助けるわよ!」ググッ
ローガン「なんと…こりゃたまげた…」
ローガン「い…生きているというのか?……あれだけの衝撃を受けて…」
コブラ「ジェット推進機が付いた鋼鉄の義手でぶん殴られるのと比べれば、あんな大玉はカワイイものさ」
レディ「グズグズしてると次のが来るわ!はやくこの橋から出ましょう!」
コブラ「おっとそうだった。でもその前にやる事があるかもな」
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