263:名無しNIPPER[saga]
2017/06/27(火) 03:07:29.26 ID:HcZEJIGs0
ジークマイヤー「うーむ…うーむ…」
ローガン「いつまで唸っておる。貴公の微力で開けられるなら、とっくに私が牢を破っているだろうに」
ローガン「もっとも、飽きてはいるがここに居るのも悪くはないのだがね。死ぬことは無く、人間性も留めていられるのだからな」
ビアトリス「……先生」
ローガン「…ふむ、すまないが私は君の師ではない。そう呼ばれるとむず痒く思うぞ」
ビアトリス「すみません…ですが、先生と呼ばせてください」
ビアトリス「先生は何故、門下の者達を置いて不死の旅に出られたのですか?皆がいれば心強いでしょうに…」
ローガン「門下の者達、か……あの者らは勝手に私についてきたに過ぎん。君のように私を真似て大帽子を被りはするが、君のように真摯ではなかった」
ローガン「彼奴らがソウルの矢と魔法の剣を修得し、何を想う?使命のためではなく、探究のためでもなく、それら魔法はもっぱら他者を下す為にのみ振るわれているわ」
ローガン「もはや真にヴィンハイムの徒と言えるのは、未熟なるグリッグス。それとは別にヴィンハイムから去り、自立した異端の者らのみだ」
ローガン「そしてグリッグスも、真摯ではあるが黒の正装を纏うには能わん。あの装束は血塗られている。彼奴は私に憧れ、己に実績を重ねる為に修練し、結果としてあの衣装を与えられただけの者だ。戦いには向かずその力も無い」
ビアトリス「…………」
ガコーン…
ジークマイヤー「ん? むむむ?」
ゴロゴロゴロゴロ…
ビアトリス「……先生、それでは私では…」
ローガン「君?キミは……ふむ…」
ジークマイヤー「こ、これは!この音は!」ゴロゴロゴロゴロ…!
ビアトリス「先生!」
ローガン「キミは…うむ……なかなか…」
ジークマイヤー「おおおおおおお!?この音はぁ!?」ゴロゴロゴロゴロゴロ…!!
ローガン「さっきから騒がしいぞ!少しは静かにしてられんの…」
ドドドドガッ!グワシャアアァーーーーッ!!
ローガン「か?」
ビッグハットが荒げた声は、石壁が爆発的に飛び散る轟音に掻き消された。
振動でそれぞれの吊り牢は僅かに揺れたが、不死達の視界は鮮明だった。
ゴロゴロゴロゴロ!!!
コブラ「のわーーっ!!?」
蛇人「」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!!
広大な密室を、大岩が破った。
大岩は砲丸の様に丸いが、その大きさは古屋ほどもあり、転がるそれには蛇人の礫死体と叫ぶコブラが貼り付いる。
その様子を、開いた大穴の奥からレディは心配そうに見つめていた。
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