249:名無しNIPPER[saga]
2017/04/17(月) 05:39:34.34 ID:1mfTIWGG0
レア「ご無礼をお許しください…私の護衛がとんだご粗相を…」
フラムト「わしは気にはせんぞ。礼節などという物は力の優劣を決めるための物だ。わしらは争わんのだから、礼節も要らぬだろう」
レア「か……寛大な御言葉、有り難く頂戴致します」
レア「あの、それでひとつ、お尋ねしたい事があるのですが、宜しいでしょうか…」
フラムト「うむ、よいぞ。何が聞きたいのだ?」
レア「その……注火の秘術についてなのですが、何処に向かえば…」
フラムト「なんと?」
レア「えっ」
フラムト「不死の使命を遂げるために来たのではないのか?」
レア「あっ、そ、その使命を遂げる者のために、篝火の火を強めエストを高める術を捜しているのです!それが白教のたまわる使命であり、我らに課された責務なのです!ですので、我らが不死の使命を軽んじているというわけでは、決して…!」
フラムト「ああ、分かった分かった。責めているわけではない。ただ思った答えと少々違ったのでな」
レア「………」ホッ…
フラムト「あの術ならば、神の敵対者たる邪神へと仕えた、太古の屍術師が編み出したと聞く。もっともその者はすでに滅び、名ばかりを継ぐまがい者が術を簒奪したがのう」
レア「詳しい場所は御教えになられないのでしょうか…」
フラムト「それはお主らが見出さねばならぬ」
レア「……そう、ですか…」
ペトルス「屍術師……お嬢様、もしや秘術は地下墓地にあるのでは?屍を操る者は、屍を求めるでしょう」
レア「そうですね……では、そちらに行くことにしましょう」
フラムト「行先は決まったかな?不死の旅人よ」
レア「はい、探索者たる貴方様の御言葉のお陰です。早速向かうことに致します」ペコリ
フラムト「うむ。お主に炎の導きのあらんことを」
先行きの不安な者達を送り出し、蛇はまたため息をついた。
ある一団は求めるも見えず、ある一団は望まぬも目見えた。
行先に暗雲立ち込めるのは、何も不死達だけではない。
あらゆる物がままならならず、決して定まらないのなら、世界の蛇といえど肩をすかされるのだ。
フラムト「鴉よ。お主も辛かろうて」ふふ…
蛇の含み笑いに、大鴉はカァとひと鳴きし、またも飛び去った。
死臭香り雪積もる、北の不死院へ向かって。
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