236:名無しNIPPER[saga]
2017/04/02(日) 02:17:16.30 ID:ao9UHekK0
老人「わーーーっ!!」
ビアトリス「!?」ガバッ
カタリナの騎士「おおう!?」ガバッ
そして、二人が次に目覚めた場所は、各々の牢の中だった。
彼らを収監している牢は鳥籠状で、それらは一本の石橋を左右から挟み、間隔を開けて幾つかが吊り下げられている。
囚われている不死は四人であるが、うち1人は朽ち果てて動かず、うち1人は大袈裟に巨大な帽子を被った老人であり、残りの2人はついさっき、老人の怒声で目を覚ました。
老人「貴公らが騒がしくするものだから、思考に浸れんじゃないか」
老人「特にそこのカタリナの騎士殿!」
カタリナ騎士「!!」
老人「貴公のいびきには、甚だ閃きを妨げられたぞ。不死立つ前に、我欲に耽って腹を肥やしたのではないかね?」
カタリナ騎士「ぬ、ぬぅ……面目ない…」
老人「………」
ビアトリス「あっ!貴方は、まさか…」
老人「 今度は何かね?」
ビアトリス「いえ、間違いようもありません!貴方はかの大魔法使い『ビッグハット・ローガン』では!?」
カタリナの騎士「?」
老人「…………」
ローガン「大魔法使い、か……極めに至らぬ者にその名は合わんよ」
ローガン「ビッグハットくらいが程よいのだ。この未熟にはな」
ビアトリス「未熟だなどと…それでは私の立つ瀬がございません…」
ローガン「蓄えた知識に差があるにすぎん、はらからよ。所詮我らは探求者の身なのだよ」
ローガン「しても妙だな。貴公の帽子から見るに、どうせ私を師と崇めておるのだろうが、その探求者がなぜ魔法の心得無き者と共にいるのだ?数十年と誰も来なかった場所に、一度に二人も閉じ込められるというのはそういう事であろう?」
ビアトリス「それには訳が…」
カタリナの騎士「むむむむむ失礼な!魔法は使えんが奇跡は使えるぞ!この牢など屁でも無いわ!」
ローガン「待ちなさい。奇跡と魔法は力の形こそ似通っているが質は全く異なるものだ。それに貴公の『放つフォース』ではこの牢は開けられん」
カタリナの騎士「!? なぜ私が放つフォースを使えると!?」
ローガン「その者が何を使うかというのは、見ればおおよそ分かるもの。魔法防護という奇跡がある以上、我ら魔術師も神の業を知らねばならんのだ。ま、使えるかと言われれば、それは別の話だがね」
ビアトリス(奇跡もお知りになっているとは……それで未熟ならば私はなんなんだ…?)
カタリナの騎士「ぬぅー…」
ローガン「まぁこうして会ったのも縁だ。貴公、名はなんと言う?」
カタリナの騎士「むっ、そう言えば名乗りがまだであったな。私はカタリナのジークマイヤー。不死となったからには見聞を深めようと思ってな。こうして旅に出ているのだ」
ジークマイヤー「ん?……はて、どこかで同じような事を言った気がするなぁ」
ローガン「うむ、宜しく」ペコリ
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