192:名無しNIPPER[saga]
2016/11/21(月) 14:11:33.13 ID:MkMtqYWV0
コブラが落ちた穴の先にあったのは、同じ石造りではあったものの、今までのものとは違った特殊な空間だった。
円形の部屋からは、階段と、赤い光を漏らす出入り口が設けられており、小部屋の床の中心部には、青銅に似た金属で作られた、巨大な蓋とも盾ともつかない装飾が施されている。
宝石の類は無い。しかしその様相が、この部屋の持つ役割を二人に推察させた。
コブラ「見ろレディ。ここはチェックポイントらしいぜ」
レディ「そのようね。階段とあそこの横穴を繋ぐだけなら、この広場は必要ないわ」
コブラ「ああ、ただの通路にしてしまえばいい。つまり、ここには最低でも三つの出入り口が通っているはずだ」
コブラ「すると、まず怪しいのは…」
コブラ「ここだっ!」ピョン
巨大な装飾に飛び乗るコブラ。
しかし、何も起きない。
コブラ「なんだ?魔女の館なんで呪文を唱えよってか」
コブラ「オープンセサミ!」
コブラは呪文を唱えた。
しかし、何も起きない。
コブラ「ちぇっ、はずれかぁ」
レディ「………」トントン…
コブラが遊んでいる間に、レディは石壁を叩いて回っている。
レディ「………」スカッ
レディ「! あったわコブラ!ここよ!」
その手が壁の中を抵抗無く通過した時、壁の一部を覆っていた幻は掻き消えた。
幻があった場所の先には、卵で作られた一本の横穴が通っており、その先に卵を背負った亡者が伏せっていた。
その亡者の更に先には、篝火が焚かれている。
コブラ「ホログラムか。それにしちゃ嫌に精巧だったな。俺でも見分けがつかなかったぜ」
レディ「亡者がいるわね。どうするコブラ?今の所、道は三つよ」
コブラ「こっちに行こう。もともとあった道より、新しく見つけた道を行く方が気が楽で良い」
横穴を進む事に決めた二人は、卵背負いの亡者の手前まで歩いた。
亡者は突っ伏したまま動かず、声も上げない。
コブラ「レディ、こいつをどけるぞ。手伝ってくれ」
その亡者をどかそうと、二人が亡者の脚に手を掛けた瞬間…
ゴオオオォォーーーン… ゴオオオォォーーーン…
使命の鐘が鳴り…
卵背負い「鐘が鳴ったか……」モゾッ…
コブラ「でっ!?」
亡者は身をよじり、天井を見上げた。
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