185:名無しNIPPER[saga]
2016/11/13(日) 14:45:35.72 ID:p0DUIt/E0
コブラ「やれやれ、パーティーの終わりぎわに来るんじゃ、まるで片付け泥棒だな」
戦士「! 暑っつ!なんだよここ、溶岩が噴いてるじゃねえか…」
コブラ「そいつは魔女が撒いた炎だ。湧き出してるものじゃ無いから、ほっときゃ冷めるさ」
ソラール「魔女?……あの蜘蛛の事か?遠くでへばっているあの…」
ソラールに指さされた魔女は、動かなくなっていた。
だが依然と炎をまとっており、それがコブラに、魔女は今動けないだけなのだという事を伝えている。
楕円の両端に張られた霧も、晴れていない。
グリッグス「まさか、倒したのか?たった二人で?」
コブラ「ああ。出来れば口で堕としたかったがね」
グリッグス「?…クチで?…何を言ってるんだ?」
ソラール「たまにそういう事を言うんだ。気にしてもしょうがないぞ」
ラレンティウス「………」
コブラの軽口にグリッグスが首を傾げている間に、ラレンティウスは突っ伏して震える大蜘蛛に近づいていた。
もちろん、手の炎を強めて、いつでも火炎を発せられるように構えてはいる。
だが、ラレンティウスの心の内には、介錯の慈悲や警戒よりも先に、好奇心が立っていた。
炎に魅せられた大沼の者にとっては、炎をまとう蜘蛛は具現した神秘なのだ。
ラレンティウス「うおっ!?」
ソラール「なんだ?生きてるのか!?」
だが、ラレンティウスが思うよりもずっと、神秘というのは惨たらしく横たわっていた。
三人の不死は、呪術師と蜘蛛の元へ駆け寄るが、コブラはついて行かず、手首のバンドを弄っている。
レディは屈んで、魔女の炎にはたかれた自身の足首の状態を診ている。
グリッグス「!? こ、これは…?」
ソラール「大変だ………みんな手を貸してくれ!蜘蛛から彼女を引きずり出す!」ググッ
クラーグ「!!」メリメリ…
戦士「待て待て待て!腹に剣が刺さってる!ゆっくりやらないと傷口が開いちまうぞ」グッ…
戦士「…ん? あ、あれ?」
ソラール「どうした?抜けないのか?」
戦士「こいつ、蜘蛛とくっついてるぞ…」
ソラール「は?」
戦士「ていうかこの剣コブラのじゃねえか!みんな構えろ!こいつは魔女だ!」シャリン
ソラール「お、おう?」シャリ…
剣を抜くのに躊躇しているソラールを、戦士は焦りを込めた目で睨んだ。
その隙をついて、ラレンティウスが戦士と魔女の間に割って入った。
コブラはリストバンドの『設定』を終え、レディと共に四人の不死に近づいていく。
ラレンティウス「ま、待ってくれ!剣を抜く前に考える事があるだろ!?」
戦士「ああ考えたね!だから殺す!お前の炎の探求に付き合えるほどの余裕は無いんだよ!」
戦士「この巣を見ろ!さっきの魔女は俺たちを助けたかもしれないが、こいつは不死の灰で巣を作って亡者に卵産みつける化け物だぜ!?今殺さないと俺たちが壁になっちまうだろうが!」
ラレンティウス「し、しかし…!」
戦士「うるせぇ!そこをどけ!」
コブラ「いいや、もっと考えた方がいい」
戦士「!」
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