170:名無しNIPPER[saga]
2016/10/30(日) 03:07:41.72 ID:se1u189k0
戦士「引き返そう…ここは本当にやばい…」
ソラール「待て、考え直せ」
戦士「お前こそ考え直せ!見て分からないのかよ!ここがどんな所か!」
ソラール「分かっている…分かっているが、しかし…」
ラレンティウス「いや、確かにここは危険だソラール。嫌な予感がする」
ソラール「………」
戦士「俺は帰るぜ!もうたくさんだ!」
コブラ「まぁ待てよ。俺たちにはまだ卵が付いてないだろ?」
戦士「うるせぇ!このまま進んだらこいつらみたいに干からびて、ここの壁の一部になっちまうんだぞ!?それでビビらねえ奴は、亡者なんかよりよっぽど頭がいかれてるんだよ!」
コブラ「俺の頭はとっくの昔にイカれてるが、干からびた亡者なんて何度も見て来たことくらいは覚えてるぜ。何を今更怖がる必要がある?」
グリッグス「キミは不死についてよく知らないようだな……不死は死ぬたびに体が崩れていく物なんだ」
グリッグス「体は細り、脳は縮んでいく。そして骨すらも崩れ始めると、今度は骨片が灰になっていく。これがどういう事か分からないはずもないだろう」
コブラ「例えここが不死の末路の塊で出来ていたとしても、俺は引く気は無いぜ」
コブラ「もっと言えば不死に卵を産みつけて、余分なヤツは灰にしちまうような化け物がこの先にいたとしても、俺は進む」
グリッグス「………無謀だぞ」
コブラ「そう来なくちゃ面白くない。俺は賭け事が大好きなんだ。特に、イカサマをする瞬間がね」
コブラ「行くぞレディ。一儲けしようじゃないの」
レディ「ベットが少ないんじゃなくて?」
コブラ「つまんなくなったら、台をひっくり返すだけさ」
コブラとレディは、四人の不死を置いて先に進んだ。
ソラールは二人について行こうとしたが、ラレンティウスの言葉と、この場そのものに後ろ髪を引かれ、動けなかった。
勇気と蛮勇、信仰と賭けは、共通点はあっても同一ではないという事をソラールは知っており、その一線を超えないように日々心がけていたからである。
太陽への信仰心を他者にも求め、変わり者と呼ばれた、不死になる前の自分に戻らないように。
コブラ「あらまぁ、こいつはマイった」フワァ…
レディ「本当に私の言った通りになったわね」
二人の目の前に、霧が立ちはだかった。
そのうねりは、やはり若干の反発力を含んでおり、コブラの手を空気の揺らぎ程度の力で押し戻している。
コブラ「やっぱり女の勘ってのは凄いね」
レディ「どういたしまして。それで、入るの?それとも入らない?」
コブラ「そりゃ入るさ。コブラはバック出来ないんでね」ブォワアアァ…
その反発力を掻き分け、コブラとレディは霧を抜けた。
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