白垣根「花と虫」-SS速報VIP

白垣根「花と虫」

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297:名無しNIPPER[saga]
2017/04/26(水) 22:34:21.29 ID:LwTspD6f0

「……いつから聞いてた。誉望のこと」

298:名無しNIPPER[saga]
2017/04/26(水) 22:36:54.09 ID:LwTspD6f0

「でも、帝督。誉望があなたについて行けないって言うのは、あなたを否定したわけじゃない。ただ、誉望は自分の憎しみに勝てなかっただけなのよ。彼、私にこう言ったの『本当に怖いのは自分だ』って」

以下略 AAS

299:名無しNIPPER[saga]
2017/04/26(水) 22:43:36.03 ID:LwTspD6f0

「帝督。あなたの思想は十分すぎるほどに分かる。私だって、出来れば誰も殺したくなんかない。でも、もうそんな我儘言ってられないとこまで来ていること、分かるでしょ？本当にこの街をどうにかしたいのなら、血を流す覚悟で立ち向かわなきゃダメなのよ」

以下略 AAS

300:名無しNIPPER[saga]
2017/04/26(水) 22:50:37.77 ID:LwTspD6f0

「私、もう抜けてもいいですか？だって、こんなの、誉望さん死んじゃったんですよ？本当に、本当にこんなことになるなんて、おかしいですよ。垣根さんの言う通り、誰も殺さずに平穏無事に全てが上手くいくって思ってたのに」

以下略 AAS

301:名無しNIPPER[saga]
2017/04/26(水) 22:52:42.57 ID:LwTspD6f0

「今度こそ、上手くいくと思ったんだけどな」

以下略 AAS

302:名無しNIPPER[saga]
2017/04/26(水) 22:55:12.73 ID:LwTspD6f0

彼女の問いに、心理定規は悲しげな微笑を浮かべた。

以下略 AAS

303:名無しNIPPER[saga]
2017/04/26(水) 22:57:19.32 ID:LwTspD6f0

「あの先生も、子供も、誉望も、血の跡も残さずに消えちゃった。彼がやってくれたのよ。能力を使って、彼らの死体をこの世から完全に消滅させた」

以下略 AAS

304:名無しNIPPER[saga]
2017/04/26(水) 22:59:06.82 ID:LwTspD6f0

「でも、彼はまだそれと戦おうとしている。じゃあもう、私は関われないわ。だって私は、これ以上自分の闇をごまかすことはできないもの。闇に染まってもこの街の闇を晴らしたい私じゃ、闇に抗う彼に何か言えるわけないでしょ」

以下略 AAS

305:名無しNIPPER[saga]
2017/04/26(水) 23:02:15.33 ID:LwTspD6f0

バックミラー越しの初春が見えなくなったのを確認した心理定規は、ドアミラーを開けて肘を少しだけ外に乗り出した。夜風が沈黙の充満する車内に流れ込む。

以下略 AAS

306:名無しNIPPER[saga]
2017/04/26(水) 23:04:08.19 ID:LwTspD6f0

「此の期に及んで、自分のことしか、考えれないのに、何で、そんなこと」

以下略 AAS

307:名無しNIPPER[saga]
2017/04/26(水) 23:13:42.50 ID:LwTspD6f0

志しは同じだった。だが、互いに見ていたものは違っていた。それに気づいても尚期待していたのは、自分の中に、彼に対する何かがあったからだ。心理定規は苦笑する。それが何なのかが嫌というほど分かって、自分でも馬鹿馬鹿しくなるからだ。

以下略 AAS

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