京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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67:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/08/27(土) 19:42:18.40 ID:k4AKpYPM0
 本当ならすぐさま歩き出すなりして、一刻も早く家へと急がねばならなかったのだろう。

 ほどなくして、足が震えて止まないほどに体が冷え込み、胸のあたりが痺れるような感覚に襲われる。

 歩く気は起らない。

 申し訳程度にバス停につけられた、木製のボロボロのベンチに腰掛ける。

 別に次のバスに乗りたいから待つとか、そんな目的があるから座っているわけではなかった。

 平日とは言え、こんな田舎だ。多分今から歩いて家に着くのと、次のバスが着くのと、同じくらいの時間だろう。


「あぁ……………」


 なんだかもう、このまま凍死しても良い気がしてきた。

 涙も出ない。いや、もしかしたら出ているのかもしれないが、雨粒と区別もつかない状態だ。

 とにかく、何もかもが嫌になってしまっていた。

 止まっていたいのだ。


ザアアアアアアアアアア……………


 滝のような雨を浴びて、風呂から出た時よりも身体がずぶ濡れになる。

 身じろぎ一つせず、ただその場で座って、俺は心身ともに停止していた。

 ここ最近感じてなかった、心の平穏を味わう。

 もう何もかもを諦めて、ただこうやってもう目的の類を何一つ持たず、自分のことにすら執着せず身も心も止まる。

 苦しいかっただけの努力が、どこか遠い場所に去っていく感じがした。

 最近の辛い日々が、遠い昔の出来事のように感じる。

 眠気を感じた時のまどろみにも近い、どこか揺蕩うような感覚に、俺は安堵を覚えていた。



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