京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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637:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2018/03/30(金) 00:17:19.60 ID:6bgW5khK0
(これで………終わった、んだよな……?)


 5回戦を終え、真っ先に京太郎が感じたのは真っ白な思考停止の感覚だった。

 勝てた喜び、未だ過ぎ去らぬ恐怖混じりの興奮、極度の疲労感。

 そう言ったものがすべて混ざって、丁度±0になってしまったようだった。

 天井を仰ぐように背もたれにかかりながら、次に思い浮かべたのは先日のroof-topでの対局内容だった。

 東1局の1本場、まこにたいして七対子を直撃させたかと思えば、実は気づかぬうちに二盃口だったあの局だ。

 このオーラス、配牌時の2pと3p、6sと7sの対子を見た時に一盃口もいけそうだと思った瞬間、あの局のことが思い出された。

 後ろから覗いている店主にこの手を七対子だと思い込ませ、実は両面待ちで裏をかくことが出来るのではないかと考えた。

 あの配牌からして、最終的に待ちになりそうなのは1−4pか5−8sのどちらかだった。

 しかしそのだまし討ちを成功させ矢木から直撃を奪うには、矢木の手にそれらの牌がなければならない。

 京太郎はまだ面前の相手の手牌を読み切れるような実力はない。しかし今回に限り、京太郎は矢木が3分の1の確率で赤5sを持っていることを知っていた。


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