京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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538:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2017/06/04(日) 22:04:05.19 ID:4Mrjp4U70
「………京太郎。まっすぐに行け」

「え?」

「まっすぐ、ひたすらにまっすぐ無謀と勇敢、暴打と攻撃的のぎりぎりのところを攻め続けろ。
 あの手の打ち手は、そうたいしたことはない。所詮、人を騙し嵌めることしか考えてねぇ。
 そんな痩せた考えに基づいた麻雀、勢いに乗った相手を止めるのは容易くねぇ」

「まっすぐ………」

「ああ。一度強い心で勢いに乗りさえすれば、お前に分がある。迷うな」

「わかりました………」

「おい、車が来たぜ」


 竜崎が顎で指した店の外には、黒塗りの車が止まっていた。


「赤木さん。俺一人でいいです」

「………いいのか?」

「ええ、赤木さんを巻き込むわけにはいきません。………下手すると、ヤクザ相手じゃ何があってもおかしくない」

「それはお前にも言えるだろう」

「かもしれないけど………大丈夫ですって。見ての通り、ガタイはいいですし、思い切り暴れれば逃げるくらいできますよ!」


 俺はポージングの恰好をとって、明るく振舞う。

 嘘だ。実は滅茶苦茶怖い。そもそも相手が本当に麻雀の勝負を受けたのかも定かではないのだ。


「じゃあ………行ってきます」


 赤木さんと別れ、先に矢木たちの乗っていた車に乗り込む。

 幸いなことに、乗った瞬間袋叩きにされるということはなかった。

 車はそのまま発進し、俺の知らぬ場所へと赴く。


「さて………どうしたもんかね」



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