京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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179:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/09/04(日) 20:36:52.91 ID:9PCR24Zc0
「すいません、お風呂を貸してくれただけでもありがたいのに、服まで………」


 旅館の仲居さんが俺の服を洗濯してくれている間、俺はおじさんの服を借りていた。

 俺やおじさんの体形に合う旅館の浴衣がなかったため、おじさんが気を利かせてくれたのだ。


「はは、中々にあってるじゃないか」

「そ、そうっすか?」


 格好いい、真っ黒なシャツに銀色のジャケットを羽織る。

 おじさんのまねをしてシャツの襟をわざと立ててみようとちょっと試してみたが、あまりにも格好つけすぎているのでやめておいた。


「やっと年相応な面になったな」

「え?」


 鏡の前で、襟をいじって照れていた俺を見て、煙草をくわえたおじさんが笑う。

 どうやらそれが最後の1本だったようで、箱はくしゃりと握りつぶしてしまった。


「さっきよりはずいぶんましな顔になった。年相応のガキの顔だ」

「そ、そうっすか…………」


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