どうやら穂乃果がRPGの世界に入り込んだようです 2
1- 20
131: ◆G2i9TD/uc6FP[saga]
2016/10/13(木) 21:15:45.64 ID:TSrw5x/G0
ホノカは傷ついていた左手で絵里の腕をつかみ、自分の体に刺さっている剣を抜いていく。


絵里「左手!?その状態で動かすなんて…」


絵里はなんとか押し返そうとするが、ホノカの力が強く、どんどん剣が抜けていく。
ホノカは右手に持っている剣を、絵里の顔を狙って振る。
絵里は頭を下げて回避するが、ホノカはその隙に剣を完全に抜く。
ホノカは一歩下がってほんの少し距離を離し、右手の剣に全力で魔力を込める。
絵里は自分の剣を縦に構えて、ホノカの攻撃を受け止める構えを取る。

ホノカが、全力で横斬りを放つ!
絵里は受け止めると見せかけて、上半身を後ろにそらして攻撃を回避しようとする。
しかし、ホノカの剣の切先から、剣の軌道に合わせてオレンジの魔力の弧が描かれる。
その弧の魔力が絵里を襲い、絵里は咄嗟に剣を構えてその魔力を防ぐ。


絵里「くっ!!」


オレンジの弧は、ホノカの斬撃の軌道よりも広い範囲で展開されており、上半身をそらした絵里にも攻撃が届いた。


ホノカ「アークウェーブオレンジ!!」


ホノカが剣を振りぬくと、オレンジの弧は広がりながら絵里に向かって炸裂する!
炸裂した魔力は絵里に直撃して、剣は吹き飛び、絵里も吹っ飛ばされる。
絵里が落下するとホノカは駆け寄って、仰向けの絵里に乗る。剣を逆手に持ち、振り上げる。
絵里はアークウェーブオレンジのダメージで、すぐに体を動かせない。
そのままホノカは剣を振り下ろす。
絵里は負けを覚悟して目を閉じる。


絵里「ごめん穂乃果……」


ザシュッ!!


絵里「…えっ?」


絵里が目を開けると、ホノカの剣は自分の顔の横に刺さっていて、絵里には当たっていなかった。


絵里「ホノカ…?」


ホノカは剣を抜いて立ち上がり、少し離れて背を向ける。
絵里はゆっくりと立ち上がってホノカの方を向く。

少しの間静寂が二人を包み、平原の涼しい風が二人の間を駆け抜ける。
ホノカがゆっくりと振り向くと、泣いていた。


絵里「…私たちを、信じてくれるの?」


ホノカはゆっくりと頷いて、身に着けていたが隠していたオレンジのネックレスを取り出して外す。
ネックレスの石を手の平に乗せて、魔力を少し込める。
すると石は砕けて塵となり、天に昇って行った。


絵里「今ので、力を…?」


ホノカはまた頷く。


絵里「ありがとう…私、あなたを傷つけたのに…」


ホノカは首を横に振って、手をピースにして自分の腰の前にかざす。


絵里「それは…」


ホノカはにっこりと笑う。その顔に涙はもうなかった。
そして、ゆっくりと空を見上げる。


ホノカ「任せたよ」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
455Res/539.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice