提督「川内がバイクに乗り始めたのだが」
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46: ◆v5iNaFrKLk[saga]
2016/07/16(土) 02:20:07.05 ID:y2LLVLG40

――楽しい時間は、いつだってあっという間に過ぎてしまう。

あれだけ頭上で輝いていた星達が、陽が昇れば姿を消してしまうように……とてもあっけなく。

木場のS字を抜けると、設定したゴールまでは高速コーナー主体の構成だ。
今までは何とか着いて行けたけど、ここから先は向こうの方が有利だろう。

いや、そんな事はどうでもいい。
この時間が終わってしまうことが何よりも辛い。

トップギア、メーター読み200キロオーバー。
それでもゼファーは離れて行く。

神様はいつも意地悪だ。
どうして簡単に終わらせようとするんだ。

だから私はいつだって手を伸ばしてしまう。
届かないって、知っているのに。

ゼファーのテールランプが灯る。
嗚呼……いよいよ辰巳のコーナーか。

数秒遅れて、私も減速・旋回の体勢へ。
回りきる頃には、ゼファーは既に湾岸に下りてクールダウン――。

終わっちゃったぁ……。
出来れば勝ちたかったけど、それ以上にもっと走りたかったな。

向こうはどうだろう。
私に満足してくれたかな。

東の空が僅かに色味掛かる。
私達の時間は、もうじき終わる――。



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