16: ◆v5iNaFrKLk[saga]
2016/06/28(火) 21:02:59.52 ID:IOWq3u0T0
トンネル内に反響する、2台分のエキゾーストノート。
GPZのメカノイズが混じった甲高い音色と、パルサーの荒々しい重低音。
それはさながら、複雑に絡み合うジャズセッションの如く。
非日常なスピードと、帯状になって流れる照明。
少なくとも江風はこんな世界を知らない。
ああ、ホントに『向こう側』のようだ……。
途切れない加速Gはいつまでも彼女を押さえつけ、息を呑むことさえ許してくれない。
横目で夕張を見る。
――笑っていた。
いつもの気立ての良い優しいお姉さんの表情でもなければ、よく分からない機械を爛々と弄くる時の表情でもない。
「言ったじゃない?夜は――別の顔だって」
会話さえままならない轟音の中、耳元で囁かれたような気がした。
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