102: ◆v5iNaFrKLk[saga]
2016/08/09(火) 20:27:09.70 ID:7ak5W0f30
――息苦しい。
切り離すことが出来ない影の様に、何処までも追いかけてくる。
さっきからGPZが右へ左へ、視界の端に入り込んでくる。
いつでも追い抜けるということ?
そんな余力なんて無いハズなのに。
同じラインを走っていては前に出られないから?
それにしても、動きが極端過ぎる。
今もそうだ。
アウト側に居たと思ったら、真後ろにピッタリと着いている。
かと思えば、ブレーキングを目一杯遅らせてアプローチに掛かる。
分からない……相手の狙いが、読めない。
そもそも、公道でレース紛いの行為をしている事が間違っている。
ましてや私達は艦娘……この国を、海を守る存在だ。
下手をすれば大惨事にも繋がりかねない。
それなのに……
何処かに高揚感を覚えている自分が居る。
もっと速く――
もっと前へ――
気持ちが逸る。
完調なハズのVFRが、いつもより遅く感じる。
右の高速コーナー。
一見緩やかに見えても、出口へ向かうにつれ徐々にRがキツくなる。
この場所では一番の難所だ。
後半に備え、クリッピングを奥へ。
荷重を少しずつ移し、ゆっくりと車体を倒しこんでいく……。
………っ!?
GPZがインから飛び込んできた!?
そのスピードで曲がれるハズがない!
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