勇者「ハーレム言うなよマジで」戦士「5だぞっ!」
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211: ◆3VOBH3KJAk[sage saga]
2016/08/11(木) 00:00:54.22 ID:rr3468kg0
マーゴッド「つまり、ほら、このリンゴを見てごらんなさい?」

クルクル

マーゴッド「私のこの左手の握った手が太陽だとしたら、こうやって回ってるんだと思うの」

マーゴッド「だから星が、月が、太陽が回っているわけじゃなくて。私達がその周りを回っているのよ」

勇者「……?…………?」

マーゴッド「なによその間抜けな顔」

勇者「ごめんなさいいまいち納得しきれなくて」

マーゴッド「ま、こんな事大抵の人間は笑って流す説よね。……ルビス様を妄信してる人間達は。ね」

勇者「貴女は違うんですか?」

マーゴッド「少なくとも、何もかもをルビス様の手柄にしてルビス様のせいにするつもりはないわ」

マーゴッド「ルビス様の力が働いているのは、ルビス様が作った生き物と植物と建物だけ」

マーゴッド「原初のこの世界には、ルビス様の力は働いていなかった……そう思うの」

勇者「で、でももしさっき言ったのが本当なら僕らがここに立ってるのもおかしい気が」

マーゴッド「だから、さっきのリンゴの話になるわけ」

マーゴッド「大地がくるくる回っても私達が地面に居座れるのは……ルビス様の力じゃなくて。なにかの力の均衡の賜物じゃないかしら」

マーゴッド「この大地の底には、あらゆるものを引っ張る力がある。それは加護じゃなく、何かと何かの力の均衡、そしてこの大地の性質」

マーゴッド「……引力。それが働いてる」

勇者「……」

マーゴッド「っというのが私の考え。内緒よ?」

勇者「誰にも話さないですよ……」

スタスタ

マーゴッド「いままで何人かにこの話をしたけど相手にされなかったわ。只一人を除いてね」

勇者「信じる人が居たんですか?」

マーゴッド「そう。パp……エジンベアの王に謁見しに来た風格のあるおじいさんなのだけれど」

マーゴッド「王はその人を『田舎者』だと呼んで相手にしていなかったわね」

勇者「ひでえ話だよ」

マーゴッド「でもその“田舎者”はあたしの考えを肯定してくれたの」

マーゴッド「『それは一つの真理だ。辿り着いているのはほんの一握りである』ってね」

勇者(ほんの一握りって……本当に他にも居るのかな)

――――――――――――

――女勇者一行の船の中――


遊び人「くしゅんっ」

武道家「やだ、風邪?大丈夫?」

遊び人「ん、大丈夫よ。ごめんね」

――――――――――――

マーゴッド「だから、あたしは田舎者が面白くてだーいすきなの」

ぎゅぅぅ

マーゴッド「このコみたいなね……♪」

スー勇者「ご主人様ぁ……」

勇者「あの、離したげてくださいな」

マーゴッド「あなたはつまらなくてそんなに好きじゃないわ」

勇者「そうすか……」


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