キスショット「これも、また、戯言か」
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85:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 16:21:57.72 ID:I+fdqcufo

 …………。

 ……馬鹿馬鹿しい。まったく、こんなの――冗談もいいとこだ。

 そもそもぼくは、ただ起きようとしたんじゃなかったのではないだろうか? 当初の目

的を忘れてしまった。いつもどおりに。

 とにかく、ぼくは左手をついて身体を起こそうとするが――

「って、あれ?」

 どうも右腕が動かない。いや、動かすことはできるのだが、動かそうとするたびに何と

も言えない感覚が生じる。今まで気付かなかったが、どうやら、右腕が痺れていたようだ。

しかし、気付かないほどに身体が痺れるって起きることなんだな……。

 ん? 待てよ? なんで腕が痺れるんだ? 仰向けに、大の字に寝ていたはずなのに……。

 ぼくは首だけで右を向く。

 そこには――幼い金髪の少女がいた。

 目も眩むような、美しい金髪の女の子だ。

 とても気持ち良さそうに、すうすうと息をしながら寝ている。

 かわいいなあ――じゃなくて。



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