8:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 01:56:00.30 ID:I+fdqcufo
001
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードのことを、僕は語らなけれ
ばならないらしいが、しかし、僕は今この時点でまったくもってやる気がない。彼女につ
いてはもう完全に終わった話である。正直いまさら話したところでもうどうしようもない
くらいに終わっている。
こんな話よりも、僕が細かい箇所を忘れないうちに、文化祭直前に起きた、あの忌まわ
しい事件について早急に語らなければならないと思っているのだが、彼女はそれを許して
くれなかった。
そもそも本来は語る必要もないどころか、この吸血鬼にまつわる話は、僕と愛すべき委
員長の撮っておき。二人互いに胸の奥にしまいこまなくてはならない、なるべく語っては
ならない話なのである。
また、こんな話を話したところでまったく面白くもなんともない。この話は、山も落ち
も意味もない話なのだ。この話をすることによって、一部の人が僕のことをかわいそうな
悲劇の主人公として見てくれるのかもしれないが、しかし、残念ながら物語の主人公は僕
ではないし、今回の僕はどちらかというと、「最悪の共犯者」でしかない上に、僕はかわ
いそうとは思われたくない。僕には何のメリットもないのではあるが、しかし、僕はこの
場で吸血鬼にまつわる話を、
詳しく、詳しく、詳しく、詳しく、詳しく、話さなければならないらしい。
間違いがあったら死ぬくらいの覚悟で。
誇張があったら殺されるくらいの決心で。
この、吸血鬼に勝るとも劣らない三白眼で、刺すように睨み付けてくる赤色に話さなけ
ればならない。
284Res/217.62 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20