59:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 15:25:29.25 ID:I+fdqcufo
「……ふうん」
腕時計を盗み見るように確認する。
時刻は丑三つ時。
一つしか点いてない街灯。
四肢を失っている美しい女性。
そしてぼく。
あまりに――できすぎている。
なんだ、この状況。悪い夢でも見てるんじゃなかろうか。
「えーっと……とりあえず……救急車でも呼びます?」
もう手遅れかもしれないけれど。
いや、まだ間に合うのか?
しゃべるほどには元気があるみたいだし――
と、そこまで考えたところで。
「きゅうきゅうしゃ……そんなものはいらんわ」
『彼女』は。
そんな四肢切断の状態にありながら、それでも意識を失わず、強い口調で――古臭い口
調で、ぼくにそう語りかけてきた。
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