49:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 15:04:01.67 ID:I+fdqcufo
それは、もう既にぼくに追っ手が差し向けられているかもしれないという可能性。今
までぼくは散々情報を操作し続けてはいたのだが、いかんせんそんなぼく個人でできる隠
蔽工作など、たかが知れている。おそらく、友の技術の一割でも、才能の一割でも所有し
ているやつならば、簡単に丸裸にできるだろう、その程度のものなのだ。
隠蔽工作にはやれるだけのことはやったはずなので、これ以上強化のしようはない。だ
から、今ぼくが行うべきことは、防御策、隠遁などではない。
むしろその逆、討って出ることだ。
先手必勝とは言うが、今回ぼくは勝つために行動しているわけではないので、まだ何者
かわかっていない翼ちゃんを相手に戦う気はぼくにはない。では、ぼくはなぜ彼の家族に
隠してでも、こんな時間に外を出歩いているのだろうか?
誰を相手にしようというのだろうか?
そう、それは、今この町に来ているという珍しいもの。
人間の上位存在である、吸血鬼。
影も残さないような、そんな人物。
実際のところ、そんなモノがいるわけがない。
では、なぜそのような噂が発生してしまったのだろうか?
いや、それよりも先に、なぜ金髪の女性がこんな町に意味もなくふらふらっと滞在して
いるのかという理由のほうを考えてみよう。
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