キスショット「これも、また、戯言か」
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208:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 00:34:02.18 ID:GrYSg2Iro

「――ふう」

 時刻を確認。午後十時。

 まだ、時間はあるな。

「ドラマツルギー、か」

 あの三人の中では、一番の巨漢。両手を大剣へと変える、同属殺しの吸血鬼――。

「いや、さっそく基本方針が利かなそうな相手じゃん……」

 まず体格からして違うもんなあ……。同属だしびびらせるもなにもない。

 それにあの冷静な態度。真面目そうだから揺さぶれば騙すことはできそうだが、揺れるのか?

あの人。あの鬼。

 今一度ルールを考えてみる。

 殺してしまうと、相手の隠し場所、隠れ場所がわからない。よって殺害は禁止。

 ぼくではあの三人を殺せるとは思えない。つまりは、向こうは手加減した状態で、こちらは

文字通りの死に物狂いで戦いに臨める。

 プロのヴァンパイアハンター相手に、なりたての弱っちい吸血鬼。

 すこしでも知っている場所に、そして大きなハンディキャップ。

 忍野は本当に、最高のルールを敷いてくれたと思う。

 そこまでのお膳立てがあってもまだ、ぼくがドラマツルギーと五分とはとても思えないんだけど……。




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