キスショット「これも、また、戯言か」
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132:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 22:14:27.62 ID:ntvrM9VEo



005

 三月二十八日。夜の街をぼくは徘徊していた。そろそろ春が近づいているはずなのだが、

気温は少し肌寒く、先ほど作ってもらったパーカーを着て、街の状態を確認していく。

 徘徊、といっても別に若くしてボケたわけではなく(そのはずだ)、勿論、ちゃんと目的が

あってのことだ。できることならもっと早く行動を起こしたかったのだが、現在ぼくは陽の光

を浴びれば炎上する身。これではちょっとした買い物もできやしないし、また、相手を迎え

撃つに当たって、できるならば万全の状態で望みたいというのもあって――夜。つまりは吸

血鬼の時間となるまで、待つ必要があった。

 そう、迎え撃つこと。キスショットを襲ったヴァンパイアハンター三人を倒すことが、

この徘徊の目的であった。




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