モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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516: ◆lhyaSqoHV6[sagasage]
2018/11/08(木) 06:49:27.04 ID:LkNOvbtJ0

クォーツ『ここは……周囲の光景から推察するに、おそらく「アンダーワールド」だな』

この空間にやってきてしばらく沈黙を貫いていたクォーツだったが、ようやく口を利いた。

むつみ「アンダーワールド?」

もはや慣例だが、クォーツの発する耳慣れない単語にむつみが聞き返す。


クォーツ『地球人──ここでは"地上人"と呼ぶべきか』

クォーツ『地上人が暮らしている地表の地下深くに築かれた──地表の対比として、地底人と呼ぼうか』

クォーツ『その地底人の都市──いや、国家だな』

むつみ「地下深くって……冒険小説なんかで、地球空洞説なんてのは見たことがありますけど……まさか……」


クォーツ『つい先日までただの一般人であったむつみが知らぬのも無理は無い』

クォーツ『先ほどの"魔界のドラゴン"もそうだが、この地球という星は普段お前たちが暮らしている地表以外にも、様々な空間を内包している』

クォーツ『おおよそ大半の地球人は、その事実を知らないのだ』

むつみ「地底世界に……魔界……」

クォーツの説明を聞いても未だに理解の及ばない規模の話だ。
クォーツがやってきた外宇宙の話も大概ではあったが、現在むつみが暮らす地球にも、まだまだ多くの未知が存在しているらしい。



クォーツ『とりあえず、地上に戻る手だてを探る必要があるな』

クォーツ『想定外の事態ではあるが、文明が存在する場所だ』

クォーツ『まあ、なんとかなるだろう』

クォーツからは時折楽観的とも思える言葉が出るが、その実、彼の中に蓄積された膨大な情報を現況と照らし合わせ、精査したうえでの発言になる。
事実、むつみに行動指針を示すにあたっても、今までそれで問題なくやってこられたのだ。

むつみ「そうですね、ここで立ち尽くしているわけにもいかないですから」

そしてむつみの意識の切り替えも早かった。
こういった点において、確実に成長が伺える。



むつみ「とりあえず、人を探してみますか」

クォーツ『そうだな、早々に地上に戻れるよう願おう』

二人は脱出手段を求め、未知の地底世界へ歩みを進めるのだった。


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