モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:52:25.78 ID:nZ3oq+wSo
「いいんだよ。全部あたしの記憶だ。そして、全部あたしだ。
元よりあたしが背負い込むものだ。今更重いなんて言わないよ」
その言葉を聞いて、LPは諦めたように、それでいて満足したように小さく笑う。
そして同様に踵を返して、この場を後にしようとする。
「わかったよ。だけど、困ったことがあれば言ってくれ。いくらでも相談に乗るよ。
私たちは家族、だろう?」
「…………はは。もちろん。ありがとなLPさん」
この場には奈緒とウルティマと呼ばれた少女の二人だけとなった。
奈緒は腰を下ろして、ウルティマの隣でその髪を小さく撫でる。
「奈緒ちゃん」
「……なお、おねえちゃん?」
息も絶え耐えながらも、ゆっくりと目を開けた少女は奈緒の方を不安そうに見る。
そんな不安を和らげるように、奈緒は優しく笑って少女を見下ろした。
「ああ、お姉ちゃんだ。
これからは、お姉ちゃんがずっと一緒だ。奈緒ちゃん。
それでも、いいか?」
「……うん。なおおねえちゃん、すきー」
「ああ。ありがとな。奈緒。
絶対にパパとママを一緒に見つけよう。約束だ。
だから、今はゆっくりと、おやすみ」
泥の沈み込むような音を最後に、その場には奈緒だけが残る。
「前に、進もう」
よりいっそう濃くなった泥をその身に宿し、奈緒は差し込む日の光へ視線を向けながら仲間の元へと歩みを進めた。
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