モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:50:05.05 ID:nZ3oq+wSo
「この生来の歪みは、いわば体が頑丈だとか、貧弱だとかの生来的な部分につながっている。
奈緒は確かにきらりの浄化に耐えて、理性を取り戻した。
だがそれは奈緒の体が丈夫だっただけで、この子ではきっと耐えられなかった。強すぎる光は小さな影をかき消してしまうだろう。
苦しみはこの子を生かしていたが、苦しみから解き放たれればこの子は生きてはいけない。
なんて……因果だ」
LPは苦々しく息を吐く。
仕事柄、反吐の出るような輩は大量に見てきたし、悲惨な境遇な者もLPは多く見てきた。
だからこそ、このように恵まれなかった生まれの子供だって見たことはあり、そしてそのまま死んでいったことだって見たことないわけではない。
だが、それは仕方ないと良しには出来ない。LPはこういうときいつも無力感に苛まれる。
そもそもがネバーディスペアのような存在のほうが少数派なのだ。踏み込んだ時には手遅れであることは嫌というほど目にしてきた。
「一応、連れて帰れば多少の延命、できて数時間程度だがやれないことはないだろう。
それか、楽にしてやることも一つの選択ではある。これは奈緒が決めてくれ」
LPのその言葉に奈緒は反応せずただじっと地面を見つめている。
LPの後ろにいる他の面々も、静かに押し黙っていた。
「今回、お前たちはよくやったよ。
この1階ロビーにおいては死者は出なかったし、一人の少女を苦しみから救ってやれたことは事実だ。
これは、誇っていいことだとも」
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