モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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236: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/08/03(水) 22:58:59.72 ID:vTRpaymho

 時間は少し遡った同盟本部1階ロビー。

 雑踏の中、カーリーに応対した受付嬢は、怪しげな来客者のことを上司に報告している最中だった。

 LPは係の者とともに同盟本部の奥へと案内されようとしていた。

 だがその二人とも、いやその場にいた誰もがその異物に気づき、視線を上にあげるのだ。

『オナカ……スイタ』

 ロビーの高い天井、その中の一つのエアダクトから漆黒に近い液体が垂れる。
 誰が意識したわけでもなく、そのときそこにいた人々の視線は偶然にも一転に集中していた。

 それが功を制したのか、落下してきたエアダクトの蓋は誰にあたることもなかった。
 しかし、そのあとに落ちてきた漆黒の物体こそが、視線を集めた正体だ。

『オナカ……スイタヨ。アアア……タクサン、イルネ』

 その黒い泥は、ニコリと笑う。
 その輪郭はかろうじて人型に近い何かであることが理解できる程度で、表情は理解できるほどのものではない。
 だがそれを見た誰もがその表情の変化を理解し、同時に戦慄するのだ。

 この黒い塊は、『捕食者』であり、この場の我々は『被捕食者』であることを。

「「う、うわああああああああああああ!!!!!!」」
「「キャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」」

 人々はパニックに陥る。
 突如として現れた黒い泥の塊は、人々によく知られる『カース』を想起させた。
 この黒い塊が違う『ナニカ』であることは理解できているものも多かったが、それ以上にカースと同様の脅威であることのほうが理解するうえで重要だったのだ。



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