姫王子「黒翼のハルピュイア娘……」青花エルフ「王子、姫になる」
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271: ◆tHMiOqNMgmiR[saga sage]
2017/05/11(木) 01:49:51.33 ID:/XiVbkcLo


ロブスター 「さて、鏡の欠片か割れた眼鏡かは分からないが」

ロブスター 「それが、おれが先ほどまで海中で戦っていた竜の成れの果てだ」

ロブスター 「思い切りきりつけたら、そんなものになっちまった」


黒王子 「この欠片が竜の……」


黒僧侶 「馬鹿な、鏡が竜になるなど」


ロブスター 「そう、馬鹿な話だ」

ロブスター 「この船丸ごと、魔女の鏡遊びに付き合わされていたということだ」

ロブスター 「やれやれ、竜退治の自慢話ができると思ったら、とんだ笑い話だったわけだ」


鏡の魔女 「…………」


黒僧侶 「ううむ……悪名高き鏡の魔女の魔法か」


黒王子 「…………」


姫王子 (この男と話したのはいつ以来か。親父についていったときだから……)

姫王子 (ふむ、もとより暗い男だったが、しばらく見ないうちに一層深刻な顔になっているな)

姫王子 「どうぞ」


黒王子 「いただけるのですか……」


姫王子 (おれだと気づいてないようだ。そりゃそうか。今のおれは髪の伸び散らかった女だ)

姫王子 「海にもぐったきり出てこないドラゴンを探しているのだろ」


黒王子 「…………」


姫王子 (はて、この男はこんなに背が高かったか)

姫王子 (ああ、おれが縮んでいるのか。そういえば、たしかに視界がいつもと違っている)

姫王子 (だとしても、かなり伸びているぞ。肩もがっしりとしている)

姫王子 (おれと変わらないくらいだと思っていたのに……これでは正面きって戦うことはできないな)


黒王子 「…………」


姫王子 「別に呪いのアイテムというわけじゃない」

姫王子 「おれ自身は呪われているようなもんだが。あっはっは……」


黒王子 「…………」


姫王子 (愛想笑いもなしか)


ハーピィ 「…………」





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