26:名無しNIPPER[saga]
2016/04/05(火) 16:53:43.51 ID:sTxvg2L80
用心棒「……」
相棒「……何だあれは」
用心棒「……さあな」
少年「……用心棒さん、依頼は……引き受けるんですか?」
用心棒「……後ろ向きに検討中だ」
少年「後ろ向きに?なぜです?」
用心棒「仕事が難しいということもあるが……胡散臭いんだよ」
用心棒「この騒ぎ自体が、今までないほどに胡散臭い」
用心棒「なぜか油商人の館の見取り図を持っている覆面の依頼人にしてもそうだし……」
用心棒「油商人は浪人を大勢雇っているのに、わざわざ殺し屋を雇うというのも妙だ」
少年「……」
用心棒「それに……お前もだ、坊主」
少年「僕?」
用心棒「最近江戸は物騒でね。俺たちも忙しいんだ」
用心棒「しかし、お前と会った時はちょうど仕事帰り……暇だったんだよ」
用心棒「そんなとき、お前と出くわすというのはどうにも『出来すぎている』……」
少年「っ!」
少年「ぼ……僕が、油商人の手のものだとでも……」
用心棒「そうは言わんが……もしこの騒ぎに、油商人ではなく別の『黒幕』が居たとしたら……」
少年「やめてくださいっ!」
用心棒「!……」
少年「僕は……僕は、貴方を尊敬していました。弟子にしてほしいとも思っていました」
少年「強さはもちろん、なにより『面倒のタネ』である僕を匿ってくれた優しさを尊敬していたんです」
少年「それなのに……信用されないだけならともかく、そんな風に思われていただなんて!」
少年「……かままでかけられるなんて……」
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