249:名無しNIPPER[saga]
2017/09/10(日) 21:24:51.24 ID:KwZuNL3X0
髭面の男「うおお、うおっ、うおおおおーっ!少年、少年……」
髭面の男「ああ、見つけてやれなくてすまない、俺は君が兄上ともども死んだものとばかり……」
少年「僕もです、僕もなんです、叔父上……きっと生きていると自分に信じ込ませようとしてはいたけど……どうせ殺されてしまったんだろうと!」
髭面の男「いいんだ、いいんだ、そんなことは……」
髭面の男「少年、俺と肥前に行こう。俺の死んだ妻の家が肥前にあるんだが、彼らが俺たちを受け入れてくれると言っている……」
少年「はい、もちろんです……もちろんですとも!ご一緒します!」
用心棒「……大団円だな」
相棒「……うるさい……」
発明家「……さあ、そろそろここを出よう。奉行所の連中が来ると面倒だ」
用心棒「……じゃあ、少年。ここでお別れだ」
少年「え……」
用心棒「……俺たちとお前の生きる道は違うんだ。交わっちゃならないんだ、それは」
少年「……もう、会えないんですか」
用心棒「……少年。俺たちは傷を癒したら、闇商人を殺しに行くんだ」
用心棒「そういう世界だ、俺たちが生きているのは。お前もこの何日かでよくわかっただろう」
少年「……」
用心棒「……まあ、覚えとくさ。ちょっとでも俺たちと一緒に戦った奴が、肥前にいるってな」
用心棒「あばよ、少年」ザッ
少年「……!」
少年「用心棒さん!僕も……僕も、忘れませんよ!」
少年「相棒さんも!僕を助けてくれた人たちが、江戸に居るって……僕、絶対忘れませんから!」
少年「本当に、本当に……ありがとうございました!」ペコリ
用心棒「……おう」スタスタ
相棒「……ええ」
発明家「……さあ、行こうか」
髭面の男「……格好いい人たちだな」
少年「……はい。善い人じゃありませんが、格好良い人たちです」
少年「……!あっ!」
少年「用心棒さん、僕のこと、坊主じゃなくて少年って……!」
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