184:名無しNIPPER[saga]
2017/05/12(金) 19:50:43.47 ID:/8aX4q490
蔵
地下
用心棒「……上が騒がしい。どうやら奉行所の連中が到着したようだな……」
相棒「……」キョロキョロ
用心棒「気にするな相棒。奴ら、この秘密の地下室に気づきやしないさ」
用心棒「坊主が入口を見つけなきゃ、俺たちも気づかなかっただろう……」
少年「僕も驚きました……まさかとは思いましたが、ここにも隠し部屋があったなんて」
用心棒「ああ……しかし手紙にこのことが書いていなかったことからして、鍛冶屋もこの部屋のことは知らなかったんだろう」
用心棒「おそらくこの隠し部屋は闇社会には関係ない、この蔵を建てたやつの趣味なんだ」
用心棒「それにしては実に丁寧な作りのようだが……」
少年「え?……あ、そういえば、息苦しくないような……」
相棒「潮の匂い……」クンクン
用心棒「どこかに空気穴が開いてるようだな。僅かに風が通っているおかげでホコリも積もっていない……」
用心棒「ちょっとばかし気は滅入るが上等な隠れ家だ。これで布団があれば言うことはないんだが……」
少年「布団ですか……あっ!見てください、あっちに寝台があります!」
用心棒「寝台?――おおっ、本当だ!」
用心棒「坊主、一日だけここで休むことにしようじゃねえか。相棒も――」
相棒「スー… スー… ムニャムニャ…」
用心棒「早いな!?」
用心棒「くそっ、俺ももう寝るぜ……痛みもあるが、それ以上に、くたくた、だ……」ドサッ
用心棒「グゴゴゴゴゴゴゴゴ…」
少年(早いなあ……)
少年(ああ、でも僕もすっかり疲れてしまった……)ドサッ
少年(すえた臭いのする布団だけど……なんとか……人心地……つい……て……)
少年「グウ…グウ…」
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