63:名無しNIPPER
2016/03/29(火) 20:37:49.24 ID:105deF7T0
男「……なぁ、ユキ、…胡蝶の夢っていう言葉を知ってるか?」
ユキ「………胡蝶の……夢?」
男「中国の戦国時代に“そう”という国があってな、その国に荘子っていう思想家がいたんだ」
男「あるとき荘子は夢を見た。夢の中で荘子は蝶になり、大空をひらひらと舞うんだ」
男「翅を広げ、羽ばたいているのが楽しくて、蝶になった荘子はいつまでも舞い続けた」
男「それから、暫くして荘子は目を覚まし、人間に戻った」
男「その時、ふと荘子は思った。蝶となり大空を舞っていたのが夢なのか、それともこの人間としての生活はあの大空を舞う蝶が見ている夢なのか、とな」
男「結局、どっちが夢でどっちが現実か、それを確かめる方法はない」
男「でも、どっちが夢でどっちが現実でもいいじゃないか」
男「荘子は人間としての人生も過ごしたし、蝶としての人生も過ごしたんだから、夢も現実も両方真実なんだ」
ユキ「………もしかしたら、これも夢なのかもね」
男「……そうかもな、でも違うかもしれないぞ?」
ユキ「………そう、だね」
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