163: ◆b0WfvkcEH/8G
2016/04/02(土) 23:21:07.06 ID:cor0qLOE0
ユキ「……夢の中で私は高校生で、男の幼馴染なの」
男「ユキが、幼馴染……」
ユキ「………それでね、私はいつも寝坊する男を起こしに行って、男の家で私は男と妹ちゃんと、現実世界では一度も見たこともない男のお母さんと、ささやかな朝食を食べるの」
男「………」
ユキ「でも、いつもギリギリの時間まで男が起きないから、朝食もゆっくり食べられなくて………」
ユキ「朝食を食べたら、バタバタと急いで家を出て、3人で通学路を走って………時々遅刻して……」
男「ユキ……」
ユキ「男と私はね、教室でも仲良くしててさ、私がいつも男の為に手作り弁当を持ってきてて、男も美味しいって言ってくれて……私はそれが嬉くて……」
ユキ「…そんな光景をクラスのみんなもからかいつつも、微笑ましく見守ってくれて……」
男「………」
ユキ「放課後には剣道部で活躍する男を、マネージャーの私が応援して………私の声援に応えるように男が頑張って、試合に勝ったら剣道部のみんなで喜んで……」
ユキ「夕焼けの街で男と他愛もない話をしながら、帰路につく日々……」
ユキ「そんな……そんな何気ない日常だけど……今まで見たどんな夢よりも、“現夢”よりも、温かくて、素敵で、……あぁ、とても幸せな“現夢”だなぁって……この記憶は、“現夢”は消えないのに……」
ユキ「今の、この現実は幸せで、温かくて、冷たくて、怖くて、壮大で」
ユキ「永遠で、懐かしくて、辛くて、殺伐としてて、長くて、短い」
ユキ「そんな、膨大な“現夢”の数々に、食い潰されちゃうんだ……」
男「……ユキ、お前、まさか」
ユキ「そうだよ、“現夢”っていうスレにID:yu-qiっていたでしょ……」
ユキ「あれは、……私なのよ」
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