658: ◆yZNKissmP6NG[saga]
2017/07/22(土) 09:30:58.67 ID:rN0RYkWfO
「そう。あなたは3月のあの日に戻るわ」
「もちろん、あなたが高校3年生のね」
にこ「――そう」
「……名残惜しい?」
にこ「……惜しくない、っていえば、嘘になるわ」
「うん……」
「――まだ、間に合うわよ?」
にこ「え?」
「あの世界は消えてなくなったわけじゃない」
「あなたの頭の隅っこの方で、まだ残り続けてる」
「10年後まで残ってるかもしれないし、明日消えるかもしれない」
「だけど――今はまだ、ある」
「まだ、戻れるわよ?」
そう言いながら、私の後ろを指さす『私』。
つられて視線をやると、白い世界の中で、一際目立つようにキラキラ光る扉が見えた。
あれをくぐったら、その先は――
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